社員にAI研修を受けさせたいけれど、いくらかかるのかが見えない。調べると「1人数千円」から「数百万円」まで金額がばらばらで、助成金の率と上限額の関係もわかりにくく、結局いくら予算を取ればよいのか迷ってしまう。そんな人事・研修担当者は少なくありません。中小機構の調査では、AIの導入を進めるために必要な公的支援として「従業員向けの教育・研修」を挙げた中小企業が67.7%にのぼる一方、「従業員のITリテラシーが高い」に当てはまると答えた企業は22.4%にとどまりました(出典:中小機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』2026年3月)。
そこで本記事では、AI研修の費用相場を、研修の形式・対象者・人数の3つの切り口で整理します。あわせて、自社の予算を出すための試算の表、費用の内訳、人材開発支援助成金の区分と1人あたりの上限額の考え方、研修会社の比べ方と見積もりで聞いておきたいこと、費用を無駄にしない進め方まで、予算を決める前に知っておきたいことをまとめました。
この記事でわかること
- 形式・人数別の費用の目安
- 単価×人数で予算を出す方法
- 助成額を上限額で見積もる方法

この記事の監修者
AIBUILDERZ編集部
AI導入支援サービス「AIBUILDERZ」を運営するチームです。AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、企業のAI導入を一気通貫で支援しています。
AI研修の費用相場|まずは全体像をつかむ
AI研修の費用は、「どの形式で」「誰に」「何人に」受けさせるかで大きく変わります。まずは形式ごとの相場で、全体像をつかんでおきましょう。
AI研修の費用相場の早見表
法人向けのAI研修は、大きく5つの形式に分けられます。形式ごとの費用の目安は次のとおりです。
| 研修の形式 | 料金の単位 | 費用の目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| eラーニング 動画の教材で各自が学ぶ |
1人あたり | 数千円〜10万円 | 大人数に基礎を広げたい |
| 公開講座 他社の受講者と一緒に受ける |
1人あたり | 半日1万〜4万円 1日3万〜5万円 |
まず数名で試したい |
| 講師派遣 自社の社員だけで受ける |
1回あたり | 半日10万〜40万円 1日20万〜80万円 |
部署単位でまとめて受けたい |
| カスタマイズ型 自社の業務に合わせて複数回 |
一式 | 60万〜300万円 | 業務で使えるところまで進めたい |
| 伴走・定着支援 研修後も相談しながら進める |
月額 | 月10万〜30万円 | 研修後に社内へ定着させたい |
金額は税込・税別の違いを含めた一般的な目安です。人数・時間・内容によって変わります。
料金の単位は4つ|1人・1回・一式・月額
AI研修の見積もりが比べにくいのは、会社によって料金の単位が違うためです。eラーニングや公開講座は「1人あたり」、講師派遣は「1回あたり」、カスタマイズ型は「一式」、伴走支援は「月額」で示されることが多く、同じ20名の研修でも数字の見え方がまったく変わります。
見積もりを比べるときは、「受講者1人あたりの総額」と「1人1時間あたりの金額」の2つにそろえて比べることが大切です。たとえば、6時間で30万円の講師派遣を20名が受ければ、1人あたり1万5,000円、1人1時間あたり2,500円になります。同じ研修を10名で受けると、1人1時間あたり5,000円です。
金額に幅が出る理由
同じ「AI研修」でも金額に大きな差が出るのは、研修の中身がまったく違うためです。ChatGPTなどの基本的な使い方を動画で学ぶ研修と、自社の書類や業務の流れを題材に、講師が一人ひとりの手元を見ながら進める研修では、準備にかかる手間も講師の拘束時間も大きく変わります。
もう一つの理由は、AI研修の価格を調べられる公的な統計がないことです。公開講座やeラーニングのように1名から申し込める研修は料金が公表されていますが、自社だけで受ける講師派遣やカスタマイズ型は「お問い合わせください」としている会社が多く、横に並べて比べることができません。相場は、料金を公表している研修を手がかりに幅として捉え、自社の条件での見積もりで確かめるものだと考えておくとよいでしょう。
そのため、相場の数字は予算を考える入り口の目安です。自社の場合にいくらかかるかは、このあと紹介する形式・対象者・人数の3つを決めてから、見積もりで確かめるのが確実です。
【形式別】AI研修の費用相場
ここからは、5つの形式ごとに、費用の中身と向いている場面を見ていきます。あわせて、オンラインと対面の違いと、外部に頼まず社内でAI研修をつくる場合の費用も取り上げます。
eラーニング|1人あたり数千円〜10万円
録画された講義や教材を、受講者が自分のペースで進める形式です。1人あたりの費用が最も安く、数十名から数百名に基礎知識を行き渡らせたいときに向いています。1つの講座を買う形なら1人数千円〜3万円程度、課題の添削や学習の進み具合を管理する仕組みがつくと、1人5万〜10万円程度が目安です。月額制で多くの講座を見放題にできるサービスもあります。
一方で、講師に質問できる機会が少なく、「動画は見たが、自分の業務でどう使えばよいかわからない」となりやすいのが弱点です。忙しい部署ほど受講が後回しになるため、受講の期限や、学んだことを業務で試す課題をセットで用意しておきましょう。
公開講座|1人あたり半日1万〜4万円
研修会社が開く講座に、他社の受講者と一緒に参加する形式です。1名から申し込めるため、「まず担当者だけ受けて様子を見たい」という段階に向いています。費用は1人あたり半日で1万〜4万円、1日で3万〜5万円程度が目安です。
内容は決まったカリキュラムなので、自社の業務に合わせた演習まではできません。受講した人が社内に持ち帰って広める前提になるため、その人の業務の忙しさによっては、社内に広がらないまま終わることもあります。
講師派遣|1回あたり半日10万〜40万円
自社の社員だけを対象に、講師を招いて行う形式です。対面のほか、オンラインで行うこともできます。費用は1回あたりで決まることが多く、半日で10万〜40万円、1日で20万〜80万円程度が目安です。講師の専門性や、事前の打ち合わせの量によって金額が上下します。
1回あたりの料金なので、受講する人数が増えるほど1人あたりの費用は下がります。同じ内容を部署の全員が同時に聞くことで、社内の共通の言葉ができるのも利点です。ただし、講義中心なら大人数でも対応できますが、手を動かす演習が中心の場合は20〜30名を超えると補助の講師が必要になり、費用が上がることがあります。
カスタマイズ型|一式60万〜300万円
自社の業務の聞き取りから始め、実際の書類やデータを題材にした演習を組み込む形式です。複数回に分けて進め、最後に業務での使い方を発表する形がよく取られます。費用は、1日のカスタマイズ研修で数十万円、数か月にわたるプログラムで100万〜300万円程度が目安です。
費用は5つの形式の中で最も高くなりますが、研修が終わった翌日から自分の業務でAIを使える状態を目指せるのが最大の違いです。「受けて終わり」を避けたい場合や、特定の部署の業務を効率化したい場合に向いています。
伴走・定着支援|月10万〜30万円
研修のあとも、定期的な相談会や質問の受け付けで、社内での活用を支える形式です。相談が中心なら月10万円前後、週ごとの打ち合わせで業務の仕組みづくりまで踏み込むと月30万円前後が目安です。
AI研修だけでは、1か月もすると元の仕事のやり方に戻ってしまうことが少なくありません。研修費とは別の予算として、研修後の3〜6か月分を見込んでおくと安心です。なお、後で紹介する助成金は研修(訓練)が対象で、相談や指導が中心の支援は対象になりません。
オンラインと対面で費用はどう変わるか
同じ講師派遣でも、オンラインで行えば会場費や講師の交通費・宿泊費がかからないため、対面より2〜3割ほど安くなることが多いです。拠点が分かれている企業では、移動の時間も省けます。一方、パソコン操作に慣れていない社員が多い場合は、講師が手元を見て声をかけられる対面のほうが、つまずきが少なく済みます。
本社の会場に講師を招き、ほかの拠点はオンラインで参加する組み合わせ(ハイブリッド)もあります。会場と配信の両方を用意するため、オンラインだけより費用は上がりますが、拠点ごとに講師を呼ぶよりは抑えられます。演習を手厚く見てほしい拠点だけ対面にする、という分け方も考えられます。
社内でAI研修をつくる場合にかかる費用
外部の研修会社に頼まず、社員が講師になって研修を行う方法もあります。研修会社への支払いはなくなりますが、費用がゼロになるわけではありません。講師役の社員が教材をつくり、練習し、当日教える時間の人件費がかかります。演習で使うAIツールのアカウントや、受講する社員の時間の人件費も、外部に頼む場合と同じようにかかります。
社内でつくる研修は、自社の業務の例を題材にしやすいのが強みです。一方で、講師役の社員がAIの最新の機能や、情報漏えいなどのリスクの考え方まで追いきれないこともあります。最初の1回は外部の研修で推進役を育て、2回目以降を社内で行う、という順番にすると無理がありません。
【対象者別】AI研修の費用相場
AI研修は、誰に受けさせるかによっても、合う形式と費用が変わります。対象者ごとの1人あたりの目安は次のとおりです。
| 対象者 | 主な内容 | 合う形式 | 1人あたりの目安 |
|---|---|---|---|
| 全社員 | AIの基礎、安全な使い方、社内のルール | eラーニング、講師派遣の講義 | 数千円〜5万円 |
| 業務で使う部署 | 自分の業務での使い方、指示文の作り方の演習 | 講師派遣、カスタマイズ型 | 5万〜20万円 |
| 推進役・技術者 | 業務の自動化、社内への広げ方、システムとの連携 | カスタマイズ型、長期の講座 | 10万〜50万円 |
| 経営層・管理職 | 投資の判断、リスクの管理、部下への広げ方 | 少人数の講師派遣 | 1回40万〜100万円(少人数) |
全社員の基礎|数千円〜5万円
全社員に、AIの基本的な使い方と、情報を入力するときの注意点をそろえて伝える研修です。人数が多いため、eラーニングや、大人数で聞ける講師派遣の講義で1人あたりの費用を抑えるのが一般的です。社内のAI利用のルールがあれば、その説明も一緒に行うと効果的です。
業務で使う部署|5万〜20万円
営業・経理・人事など、特定の部署の業務でAIを使いこなすための研修です。自社の書類を題材にした演習が中心になるため、講師派遣やカスタマイズ型が合います。費用対効果が最も出やすいのは、この層の研修です。どの業務の時間を減らしたいのかを、研修の前に決めておきましょう。
推進役・技術者|10万〜50万円
社内でAIの活用を広げる推進役や、業務の自動化やシステムとの連携を担う技術者向けの研修です。学ぶ範囲が広く、数十時間から100時間を超える講座もあるため、1人あたりの費用は高くなります。推進役が育つと、その後の社内研修を自社で行えるようになり、外部に払う研修費を減らせます。
経営層・管理職|少人数で1回40万〜100万円
AIへの投資の判断や、情報漏えいなどのリスクの考え方を学ぶ研修です。人数は少なくても、経験のある講師が対話しながら進めるため、1回あたりの費用は一般社員向けより高めになります。経営層が先にAIの効果と限界を知っておくと、その後の研修の予算も通りやすくなります。
【人数別・時間別】AI研修の費用の目安
同じ内容のAI研修でも、受ける人数と時間によって、どの形式が安くなるかが変わります。ここでは、計算の例で比べたうえで、自社の予算を出すための試算の表を紹介します。
人数別|10名前後で「自社だけ」のほうが安くなる
公開講座は「1人あたりの料金×人数」で増えていき、講師派遣は「1回いくら」で決まります。1日の公開講座を1人4万円、1日の講師派遣を1回50万円として、人数ごとの総額を比べると次のようになります(金額は計算の例です)。
| 受講する人数 | 公開講座(1人4万円) | 講師派遣(1回50万円) | 安くなる形式 |
|---|---|---|---|
| 5名 | 20万円 | 50万円(1人10万円) | 公開講座 |
| 10名 | 40万円 | 50万円(1人5万円) | 公開講座 |
| 15名 | 60万円 | 50万円(1人約3.3万円) | 講師派遣 |
| 30名 | 120万円 | 50万円(1人約1.7万円) | 講師派遣 |
この例では、12〜13名を超えたあたりで講師派遣のほうが安くなります。10名以上に受けさせたいなら、まず自社だけで行う研修の見積もりを取ってみましょう。自社の業務に合わせた演習を入れやすいのも、講師派遣の利点です。
時間別|半日・1日・複数回
講師派遣の場合、時間が長くなるほど講師の拘束時間と準備の手間が増えるため、費用もほぼ比例して上がります。
| 時間 | 費用の目安(1回・20〜30名) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 半日(3〜4時間) | 10万〜40万円 | AIの基礎、基本の操作、業務での使い方の紹介 |
| 1日(6〜7時間) | 20万〜80万円 | 基礎と演習、自社の業務での指示文づくり |
| 複数回(計10時間以上) | 60万〜300万円 | 段階的な演習、課題の添削、業務での活用の発表 |
後で紹介する人材開発支援助成金は、訓練の時間が10時間以上であることが条件です。半日や1日の研修は、そのままでは対象になりません。助成金を検討するなら、時間の組み方を最初に決めておく必要があります。
50名以上・全社で受けるとき
50名を超える場合は、全員に同じ形式で受けさせるより、形式を組み合わせたほうが総額を抑えられます。たとえば、全社員の基礎はeラーニングで行い、業務でよく使う部署だけ講師派遣で演習を行う、という分け方です。講師派遣を部署ごとに分けて行うと、回数ぶん費用は増えますが、部署の業務に合った演習にできます。
自社の予算を出す試算表|単価×人数×回数
形式と人数が決まれば、予算は「単価×人数(または回数)」を足し合わせて出せます。研修会社への支払いだけでなく、受講中の人件費も同じ表に入れておくと、稟議で「本当にかかる金額」を示せます。社員60名の会社で、全社員の基礎と、1つの部署の演習を行う場合の計算例は次のとおりです(金額は計算の例です)。
| 項目 | 計算のしかた | 計算例 |
|---|---|---|
| 全社員の基礎 | eラーニングの1人あたりの単価 × 人数 | 1万円 × 60名 = 60万円 |
| 部署の演習 | 講師派遣の1回あたりの単価 × 回数 | 1日40万円 × 2回 = 80万円 |
| 研修後のフォロー | 月額 × 月数 | 月15万円 × 3か月 = 45万円 |
| 研修会社への支払いの合計 | 上の3つの合計 | 185万円 |
| 受講中の人件費 | 受講時間 × 人数 × 1時間あたりの人件費 | (基礎)3時間 × 60名 × 3,000円 = 54万円 (演習)12時間 × 15名 × 3,000円 = 54万円 |
| 社内で見込む総額 | 支払いの合計 + 人件費 | 293万円 |
表の単価を自社の見積もりの金額に置き換えれば、そのまま予算の下書きになります。助成金を検討する場合は、この総額とは別の行に、後で紹介する上限額で計算した見込み額を書き、支給は後払いで、支給されるかは労働局の審査で決まることも添えておきましょう。
AI研修の費用の内訳と、金額を左右する要因
AI研修の見積書の金額が何に対して払うお金なのかを知っておくと、会社ごとの差の理由を聞きやすくなります。
見積書に載る費用
| 費用 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 講師料 | 講義と演習の指導。費用の大部分を占める | 1日10万〜40万円程度 |
| カリキュラムの設計・カスタマイズ費 | 業務の聞き取り、自社向けの演習や教材づくり | 10万〜50万円程度 |
| 教材費 | テキスト、演習用のAIツールのアカウント | 1人数千円〜1万円程度 |
| 会場費・機材費 | 外部の会場、配信の機材(対面や配信の場合) | 1日数万〜十数万円程度 |
| 交通費・宿泊費 | 講師が出張する場合の実費 | 実費 |
| 事後フォロー費 | 研修後の質問の受け付け、振り返りの会 | 10万〜30万円程度 |
講師料だけが大きく、カスタマイズや事後フォローがほとんど含まれていない見積もりは、研修のあとに追加の費用がかかることがあります。どの項目が含まれていて、どれが別料金なのかを確かめておきましょう。
見積書に載らない費用
研修会社への支払いとは別に、社内で負担する費用もあります。予算を立てるときは、次の3つも見込んでおきましょう。
| 費用 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 受講中の人件費 | 研修の時間は通常の業務が止まる。20名が10時間受ければ、200時間分の人件費がかかっている |
| AIツールの利用料 | 研修で学んだことを業務で使うには、法人向けのAIツールの契約が必要になる。料金は AI導入の費用相場 でまとめています |
| 助成金の申請の手間 | 計画届や支給申請の書類づくりに、担当者の時間がかかる。社会保険労務士に頼む場合は、その報酬もかかる |
費用を左右する6つの要因
見積もりの金額が会社ごとに違うときは、たいてい次の6つのどれかが違っています。金額を比べる前に、この6つをそろえましょう。
| 要因 | 高くなるとき | 安くなるとき |
|---|---|---|
| 人数 | 少人数で講師を独占する、演習中心で大人数 | 1回に多くの人が受ける |
| 時間・回数 | 1日以上、複数回に分ける | 半日の単発 |
| 実施の形 | 対面(会場費・交通費がかかる) | オンライン |
| カスタマイズの深さ | 自社の業務や書類に合わせて演習をつくる | 決まったカリキュラムのまま行う |
| 講師 | 業界の知識や実務の経験がある講師を指名する | 研修会社にまかせる |
| 研修後のフォロー | 質問の受け付け、振り返りの会、効果の測定 | 研修の当日で終わる |
AI研修に使える人材開発支援助成金の区分と上限額
AI研修には、厚生労働省の「人材開発支援助成金」の対象になり得るものがあります。ただし、「経費の75%」という率だけで予算を考えると、助成額を大きく見誤ることがあります。ここでは、2026年8月3日版のパンフレットをもとに、制度の区分と上限額を整理します。
AI研修で使える2つのコース
AI研修でよく使われるのは、「事業展開等リスキリング支援コース」と「人材育成支援コース」の2つです。どちらも、業務から離れて行う10時間以上の研修(OFF-JT)が対象です。
| 項目 | 事業展開等リスキリング支援コース | 人材育成支援コース(人材育成訓練) |
|---|---|---|
| 対象の研修 | 新しい事業の展開、社内のDX化などに必要な専門的な知識と技能を身につける研修 | 職務に関連した専門的な知識と技能を身につける研修 |
| 経費助成の率 | 中小企業75%(大企業60%) | 中小企業45%(大企業30%)。賃上げなどの条件を満たすと60%(45%) |
| 賃金助成 1人1時間あたり |
中小企業1,000円(大企業500円) | 中小企業800円(大企業400円)。条件を満たすと1,000円(500円) |
| 期間 | 令和8年度(2027年3月)までの期間限定 | 期間限定の措置ではない |
人材育成支援コースの率は、正社員などの場合のものです。eラーニングや通信制の研修は経費助成だけで、賃金助成は受けられません(出典:厚生労働省『人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)』令和8年8月3日版、同『人材育成支援コースのご案内』令和8年8月3日版)。
助成額は「率」ではなく「1人あたりの上限額」で決まる
経費助成には、受講者1人・1つの研修あたりの上限額があります。上限額は、研修の時間の区分で決まります。
| 研修の時間 | リスキリング支援コース 中小企業(大企業) |
人材育成支援コース 中小企業(大企業) |
|---|---|---|
| 10時間以上100時間未満 | 30万円(20万円) | 15万円(10万円) |
| 100時間以上200時間未満 | 40万円(25万円) | 30万円(20万円) |
| 200時間以上 | 50万円(30万円) | 50万円(30万円) |
| eラーニング・通信制 | 15万円(10万円) | 標準学習時間に応じた区分(定めがないものは10時間以上100時間未満) |
たとえば、リスキリング支援コースを使う中小企業が、1人60万円・12時間の研修を受けさせる場合、60万円の75%は45万円ですが、12時間の研修の上限は30万円です。助成の対象になるのは30万円までで、残りの30万円は会社の負担になります。1人あたりの研修費が高いほど、「75%」という率は実際の助成の割合から離れていきます。助成額は、率より先に研修の時間を数えて区分を決め、上限額と比べてから見積もりましょう。
賃金助成は、所定の労働時間の中で受けた時間だけが対象です。時間外や休日に行った研修の時間は、賃金助成の対象になりません。
対象になる研修・ならない研修(2026年8月の改正)
リスキリング支援コースは、2026年8月3日以降に出す計画届から、対象になる研修の考え方が変わりました。厚生労働省の案内では、生成AIの研修について次のような例が示されています。
| 研修の例 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 生成AIで商品の提案書の構成案づくり、文章の作成、直し方を学ぶ営業担当者向けの研修 | 対象 | 営業担当者の具体的な業務に直結し、そのまま使える内容 |
| 生成AIを使うための汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ研修 | 対象外 | 特定の業務への具体的な適用を伴わない汎用的な内容 |
| DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ研修 | 対象外 | 共通の知識にとどまり、業務に直接当てはめる内容ではない |
あわせて、助成を受けられる研修は1人につき1年度で3回まで、そのうちeラーニングによる研修は1回までになりました(出典:厚生労働省『人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について』)。改正の前に研修会社と契約していた場合などの経過措置もあるため、詳しくはパンフレットで確認してください。
このほか、パソコンの初歩的な操作だけを学ぶ研修、買ったアプリやシステムの操作方法だけを学ぶ研修、コンサルタントによる指導も対象になりません。「AI研修」という名前かどうかではなく、受講者の業務に直接結びつく中身かどうかで判断されます。
申請の流れと期限
| 時期 | すること |
|---|---|
| 計画届の前まで | 社内の職業能力開発推進者を選び、事業内職業能力開発計画をつくって社員に知らせる |
| 研修開始の6か月前〜1か月前 | 職業訓練実施計画届などを、事業所を管轄する労働局に出す |
| 研修の期間 | 計画どおりに研修を行い、支給申請までに研修費を全額払う |
| 研修終了の翌日から2か月以内 | 支給申請書と必要な書類を労働局に出す。審査のうえ、支給か不支給かが決まる |
計画届を研修開始の1か月前までに出せないと、原則として助成は受けられません。研修の日程は、計画届の期限から逆算して決めましょう。計画届は窓口・郵送のほか、雇用関係助成金ポータルからの電子申請でも出せます。電子申請には「GビズID」が必要なので、早めに取得しておくと手続きが滞りません。なお、計画届を出したからといって、助成金が必ず支給されるわけではありません。最終的な判断は労働局が行います(出典:厚生労働省 人材開発支援助成金)。
補助金(デジタル化・AI導入補助金)との違い
中小企業がAIツールを入れるときに使われる「デジタル化・AI導入補助金」では、補助の対象になる経費のうち「役務」の1つとして「導入研修」が挙げられています。ツールの導入にあわせて行う研修という位置づけで、社員の育成そのものを目的にした人材開発支援助成金とは、制度の目的も所管も違います(出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠)。社員の研修が中心なら人材開発支援助成金、ツールの導入とあわせた研修なら補助金、と分けて考えるとわかりやすいでしょう。対象になる経費の細かな条件は、公募要領で確かめてください。補助金の選び方は AI導入に使える補助金 で解説しています。
自治体の制度と、併用するときの注意
国の助成金とは別に、都道府県や市区町村が、中小企業の社員のリスキリングやデジタル人材の育成を支える独自の制度を設けていることがあります。対象になる研修、金額、申し込みの時期は制度ごとに違うため、事業所のある自治体の案内を一度確かめておきましょう。
気をつけたいのは、同じ研修に複数の制度を使う場合です。厚生労働省のパンフレットでは、同じ研修の受講や経費について複数の助成制度を使うと、併せて受けられない場合があると案内されています。自治体の制度も検討するなら、計画届を出す前に、それぞれの窓口に併用できるかを確かめておくと安心です。
助成額と自己負担の計算例|上限額で見積もる
ここでは、リスキリング支援コースを使う中小企業を例に、助成額と会社の自己負担を計算します。金額は計算の例で、研修会社が主催する研修を受け、研修はすべて所定の労働時間の中で行い、要件を満たして支給が決まった場合を前提にしています。
| 項目 | 例1:上限に届かない | 例2:上限で頭打ち | 例3:eラーニング |
|---|---|---|---|
| 研修の条件 | 1人20万円・12時間・10名 | 1人60万円・12時間・5名 | 1人5万円・標準学習時間10時間以上・30名 |
| 研修費の総額 | 200万円 | 300万円 | 150万円 |
| 経費助成(1人あたり) | 15万円(20万円×75%。上限30万円の内側) | 30万円(45万円は上限を超えるため30万円) | 3万7,500円(5万円×75%。上限15万円の内側) |
| 賃金助成(1人あたり) | 1万2,000円(1,000円×12時間) | 1万2,000円(1,000円×12時間) | なし |
| 助成の合計 | 162万円 | 156万円 | 112万5,000円 |
| 会社の自己負担 | 38万円(1人3万8,000円) | 144万円(1人28万8,000円) | 37万5,000円(1人1万2,500円) |
例1|上限に届かない場合は率どおりに計算する
1人20万円の研修なら、75%の15万円は上限の30万円の内側に収まるため、率どおりに計算できます。賃金助成も加えると、総額200万円に対して助成の合計は162万円、会社の自己負担は38万円です。12時間の研修では、1人あたりの研修費が40万円までなら、上限に届かずに率どおりの計算になります。
例2|上限を超えると助成額は頭打ちになる
1人60万円の研修では、75%の45万円が上限の30万円を超えるため、経費助成は1人30万円で止まります。率だけで「総額の25%の75万円が自己負担」と見込んでいると、計算上の自己負担は144万円で、差は約2倍です。1人あたり40万円を超える研修は、上限額で頭打ちになる前提で予算を組みましょう。100時間以上の長い研修なら上限は40万円に上がりますが、上限に合わせて時間を延ばすのではなく、必要な内容から時間を決めることが先です。
例3|eラーニングは経費助成だけ・年度に1回まで
eラーニングは1人あたりの費用が安いため、上限の15万円に届くことはほとんどありません。一方で賃金助成がなく、同じ人がeラーニングで助成を受けられるのは1年度に1回までです。全社員の基礎はeラーニング、業務の演習は集合型の研修、と分けて計画を立てると、それぞれの要件を確かめやすくなります。
講師を招く研修は、講師への謝金の上限にも注意
自社が企画・主催し、外部の講師を招いて行う研修は「事業内訓練」として扱われます。この場合、助成の対象になる部外講師への謝金は、実際の研修時間1時間あたり3万円(税込)が上限です。12時間の研修なら、謝金として対象になるのは36万円までになります。部外講師の旅費も、国内から招く場合は1つの研修あたり5万円が上限です。研修会社が企画・主催する研修(事業外訓練)では受講料などが対象になるため、どちらの扱いで申請するのかを、見積もりの段階で研修会社と労働局に確認しておきましょう。
助成金は後払い|研修費は先に全額を用意する
助成金は、研修が終わって支給申請をし、審査を経てから支給されます。研修費は支給申請までに会社が全額払っておく必要があるため、一時的には総額を用意しなければなりません。また、研修会社から研修費の一部を返金してもらうなど、会社の負担額を減らすお金を受け取った場合は、経費助成の対象になりません。
AI研修の費用を抑える6つの方法
AI研修の費用は、形式の選び方と進め方で大きく変わります。効果の大きい方法を6つにまとめました。
対象者ごとに形式を分ける
全社員に同じ研修を受けさせるより、基礎はeラーニング、業務で使う部署は講師派遣、推進役は長めの講座、と対象者ごとに分けたほうが、総額を抑えながら効果を出せます。
10名を超えたら自社だけのAI研修を検討する
人数別の計算例のとおり、10名を超えるあたりから、公開講座に1人ずつ出すより講師派遣のほうが安くなります。オンラインで行えば、会場費や講師の交通費もかかりません。
助成金を検討するなら要件を先に確かめる
人材開発支援助成金を検討するなら、10時間以上の研修であること、受講者の業務に直結する内容であること、計画届を研修開始の1か月前までに出すことの3つを、研修の中身を決める前に確かめておきましょう。研修会社には、最初の相談の段階で助成金を検討していると伝え、要件に合う時間と内容で組めるかを聞いておくと、あとから組み直す手間が省けます。支給されるかどうかは労働局の審査で決まるため、予算は支給がなくても実施できる額で組んでおくのが安全です。
すでに契約しているAIツールで学ぶ
研修用に別のツールを用意するより、社内で契約しているChatGPTやMicrosoft 365 Copilotなどを使って学ぶほうが、研修後すぐに業務で使えます。演習用のアカウント代もかかりません。
社内で教えられる人を育てる
最初の研修で推進役を育てておけば、2回目以降の研修や新入社員への研修を社内で行えるようになります。外部に払う研修費が年々減っていくため、長い目で見ると最も効果の大きい方法です。社内の教育プログラムの組み方は 生成AI研修(企業向け)のカリキュラム設計 で詳しく解説しています。
研修後のフォローまで含めて比べる
研修費が安くても、研修後に誰も使わなければ、払った費用はすべて無駄になります。見積もりは、研修の当日の費用だけでなく、研修後のフォローまで含めた総額で比べましょう。
研修会社を費用で比べるときの3つの視点
AI研修の費用は、金額だけを並べても研修会社の違いは見えてきません。同じ金額でも、含まれる範囲や講師、研修後の支え方で、払ったお金が業務に返ってくるかが変わります。ここでは費用の比べ方に絞って3つの視点を紹介します。研修会社ごとの特徴は 企業向けAI研修サービスの選び方 で詳しく比べています。
PR|AIBUILDERZ AI導入支援サービス
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AIBUILDERZ|AI導入支援サービス
システム構築は成果報酬型。AI研修から導入・構築・定着まで一気通貫で支援

AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、一気通貫で支援するサービスです。業務アプリの構築費は事前にいただかず、実際に稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。成果報酬型での対応は、当社が小規模と定義するシステムが対象です。
- 業種・規模を問わず支援どの業務からAIやシステムに置き換えるかを一緒に決め、効果の大きい業務から順に進めます。
- システム構築は成果報酬型業務アプリの構築費は事前にいただきません。稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。
- AI導入の効果を可視化置き換える業務を一覧にし、導入前後の時間から、空いた時間とかからなくなった費用を毎月記録します。
- 小さく始めて、リスクを管理影響の小さい業務から始め、AIの実行結果は担当者が確認・承認してから反映します。
料金に含まれる範囲をそろえる
「1日30万円」と「一式100万円」を比べても、どちらが割安かは判断できません。1日30万円には当日の講義だけが含まれ、教材づくりや研修後の質問の受け付けは別料金、一式100万円には業務の聞き取りから3か月のフォローまで含まれている、ということがあるためです。
見積もりを並べる前に、事前の聞き取り・教材づくり・当日・研修後のどこまでが含まれるかを書き出し、範囲をそろえてから金額を比べましょう。範囲がそろえば、1人あたりの総額での比較がはじめて意味を持ちます。
講師の実務経験と教材の合わせ方を見る
講師が実際の業務でAIを使ってきた人かどうかで、演習の中身は大きく変わります。ツールの機能を順に紹介するだけの研修と、受講者の業務でつまずきやすい場面を知っている講師の研修では、同じ時間でも持ち帰れるものが違います。見積もりの段階で、講師の経歴と、自社の業務に近い演習の例を見せてもらいましょう。
教材をどこまで自社に合わせるかも、費用を左右します。決まった教材のままなら安く済み、自社の書類を使った演習をつくるならカスタマイズ費がかかります。どの部分を合わせると、いくら上がるのかを聞いておくと、必要なところにだけお金をかけられます。
研修後のフォローの中身を見る
「研修後のフォローあり」と書かれていても、中身は会社によってさまざまです。メールで質問を受け付けるだけのものもあれば、定期的に集まって業務での使い方を見直す会を開くもの、業務の仕組みづくりまで手伝うものもあります。期間、回数、相談できる人、追加の費用がかかる条件を確かめておきましょう。
研修の効果が出るかどうかは、研修の当日より、その後の数か月で決まることが少なくありません。研修費が少し高くても、フォローが厚い会社のほうが、結果として1人あたりの費用対効果が高くなることもあります。
見積もりで研修会社に聞いておきたいこと
AI研修の料金は「要問い合わせ」としている研修会社も多く、見積もりを取ってはじめて金額がわかることが少なくありません。同じ条件で2〜3社から見積もりを取り、次の項目で比べましょう。
見積もりで聞きたい10の質問
| 聞くこと | 確かめたい理由 |
|---|---|
| 料金の単位と、1人あたりの総額 | 1人・1回・一式・月額のどれかで比べ方が変わる |
| 研修の時間の合計 | 助成金の対象(10時間以上)と上限額の区分が決まる |
| 自社の業務に合わせる範囲 | 自社の書類を使った演習があるか。カスタマイズ費が別かどうか |
| 講師の経歴 | AIを業務で使った経験があるか。講師を指名すると費用が変わるか |
| 事後フォローの中身と期間 | 質問の受け付けや振り返りの会が含まれるか、別料金か |
| 含まれない費用 | 会場費、講師の交通費・宿泊費、演習用のアカウント代など |
| 使うAIツール | 社内で契約しているツールで演習できるか |
| 助成金の申請の手伝い | カリキュラムや時間を、要件に合う形で組んでもらえるか |
| 効果の測り方 | 研修の前後で、何の数字を比べるのか |
| 日程を変えるときの扱い | 延期や中止のときに費用がかかるか |
見送ったほうがよい提案
次のような提案は、あとで想定外の負担や、助成金の不支給につながるおそれがあります。
| 提案 | 気をつけたい理由 |
|---|---|
| 「必ず75%戻る」と支給を言い切る | 1人あたりの上限額や要件を考えていない。支給するかどうかを決めるのは労働局 |
| 研修費の一部を返金する、キャッシュバックがある | 会社の負担額を減らすお金を受け取ると、経費助成の対象にならない |
| 汎用的なプロンプトの作り方だけで10時間を組む | 2026年8月以降の計画届では、業務に結びつかない内容はリスキリング支援コースの対象外 |
| 内訳が「一式」だけで、含まれる作業がわからない | 研修後のフォローや教材が別料金になり、総額がふくらみやすい |
費用対効果の考え方と、稟議の書き方
AI研修の予算を通すには、「いくらかかるか」だけでなく「いくら分の効果があるか」を示す必要があります。
費用対効果の出し方
研修の効果は、減らせる作業時間をお金に換算すると比べやすくなります。
| 手順 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 1. 減らせる時間を出す | 1日に減らせる時間 × 月の日数 × 使い続ける人数 | 15分 × 20日 × 10名 = 月50時間 |
| 2. お金に換算する | 減らせる時間 × 1時間あたりの人件費 | 50時間 × 3,000円 = 月15万円 |
| 3. 研修にかかる費用と比べる | 年間の効果 ÷ 研修にかかる費用 | 年180万円 ÷ 120万円 = 1.5倍 |
例の金額は、計算の流れを示すための仮の数字です。研修にかかる費用には、研修会社への支払いだけでなく、受講中の人件費も含めて比べると実態に近づきます。人数には、研修を受けた人数ではなく、研修のあとも業務で使い続ける人数を入れることが大切です。20名が受けても10名しか使わなければ、効果は半分になります。
稟議に書く3つの金額
稟議には、「研修費の総額」「助成金の見込み額」「会社の自己負担額」の3つを並べて書くと、判断する人が全体を把握しやすくなります。助成金の見込み額は、率ではなく1人あたりの上限額で計算したものを書き、支給は後払いで、支給されるかは審査で決まることも添えておきましょう。
あわせて、最初から全社で行うのではなく、「まず1つの部署で試し、効果を確かめてから広げる」という段階的な計画にすると、最初の予算が小さくなり、承認も得やすくなります。
AI研修のあとに測る3つの数字
次の予算を通すためにも、研修の効果は数字で残しておきましょう。測る数字は、多くしすぎず、次の3つに絞ると続けやすくなります。
| 測る数字 | 測り方 | わかること |
|---|---|---|
| 使い続けている人数 | 研修の1か月後・3か月後に、AIツールを週に1回以上使っている人を数える | 研修が業務に根づいたか |
| 対象の業務にかかる時間 | 研修の前に決めた業務について、前後で1件あたりの時間を比べる | 減った時間と、その金額 |
| 業務で使い始めた場面の数 | 部署ごとに、AIを使うようになった業務を書き出してもらう | 次に研修やフォローが必要な部署 |
研修の前に「どの業務の時間を、どれだけ減らしたいか」を決めておかないと、あとから比べる基準がなくなります。測る数字は、研修会社を選ぶ段階で一緒に決めておきましょう。
費用で失敗しやすい4つのパターン
AI研修の費用が無駄になるのには、よくある形があります。事前に知っておけば、多くは避けられます。
eラーニングを配って終わる
1人あたりの費用は最も安くても、受講されなければ効果はありません。受講の期限、進み具合の確認、学んだことを業務で試す課題までをセットにしておきましょう。
時間を削って助成金の要件から外れる
請求額を抑えようと半日の研修にした結果、10時間の要件を満たせず、助成金の対象から外れることがあります。助成金を検討するかどうかは、研修の時間を決める前に判断しましょう。
率だけで助成額を見込む
「75%が戻る」前提で予算を組み、1人あたりの上限額で頭打ちになって、自己負担が見込みの2倍近くになるパターンです。1人あたりの研修費と研修の時間から、上限額で計算しておきましょう。
研修のあとに使う場がない
研修で盛り上がっても、業務で使うAIツールの契約や社内のルールがなければ、使われないまま終わります。研修の前に、ツールの契約とルールを決めておきましょう。
予算づくりから研修までの進め方
費用を抑えながら効果のあるAI研修にするには、次の5つのステップで進めるとスムーズです。
誰に、何ができるようになってほしいかを決める
対象の部署と人数、研修のあとに減らしたい業務の時間を書き出します。
形式と時間を決め、試算表で予算を出す
人数と目的から形式を選び、単価×人数×回数で総額を出します。助成金を検討するなら10時間以上で組みます。
2〜3社から同じ条件で見積もりを取る
10の質問で範囲をそろえ、1人あたりの総額と、上限額で計算した助成の見込みで比べます。
計画届を研修開始の1か月前までに出す
推進者の選任と社内の計画づくりを済ませ、研修開始の6か月前から1か月前までに労働局へ出します。
研修後の使い方と効果を確かめる
研修の前後で業務の時間を比べ、効果を確かめてから、次の部署に広げるかを判断します。
AI研修の費用に関するよくある質問
Q. AI研修の費用相場はいくらですか?
Q. AI研修は最低いくらから始められますか?
Q. 助成金を使う場合、助成額はどう計算しますか?
Q. 半日のセミナーでも助成金の対象になりますか?
Q. プロンプトの書き方を学ぶ研修は助成金の対象になりますか?
Q. eラーニングの研修でも助成金は使えますか?
Q. 少人数の研修でも助成金は使えますか?
Q. 助成金はいつ受け取れますか?
Q. オンラインの研修でも効果は出ますか?
Q. 見積もりから研修の実施まで、どのくらいの期間を見ておけばよいですか?
Q. AI研修と生成AI研修で費用は違いますか?
Q. 無料で受けられるAI研修はありますか?
Q. 1名だけ・個人でも受講できますか?
Q. 見積もりの金額は調整できますか?
まとめ
AI研修の費用は、形式・対象者・人数によって、1人数千円から数百万円まで大きく変わります。相場の数字だけで予算を決めず、誰に何ができるようになってほしいかを決めてから、試算表で総額を出し、同じ条件で見積もりを取るのが無駄のない進め方です。最後に、本記事のポイントを振り返ります。
研修会社の選び方は 企業向けAI研修サービスの選び方、社内の教育プログラムの組み方は 生成AI研修(企業向け)のカリキュラム設計 もあわせてご覧ください。
