ロゴを新しくしたい、営業資料の見た目を整えたい、ホームページに載せる画像が足りない。デザインの仕事は次々に出てくるのに、社内にデザイナーはおらず、生成AIで作ってみても思ったような仕上がりにならない。AIを使ったデザイン制作を外部に頼めると聞いても、どこまで任せられるのか、費用はいくらが妥当なのか、著作権は大丈夫なのかが分からない。そんな悩みを持つ担当者は多いのではないでしょうか。総務省の『令和8年版 情報通信白書』でも、日本の企業が生成AIの活用で懸念するリスクとして「著作権等の権利を侵害する可能性がある」が31.3%にのぼっています(出典:総務省『令和8年版 情報通信白書』)。

そこで本記事では、AIデザイン制作代行で依頼できるデザインの範囲と向き不向き、メリット・デメリット、費用相場と料金の形、依頼先の種類と選び方、依頼から納品までの流れ、著作権・商用利用で確かめること、ブランドを守りながら頼み続ける方法までをまとめました。初めてAIを使ったデザインの外注を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 依頼できるデザインの範囲がわかる
  • 費用相場と依頼先の選び方がわかる
  • 著作権で確かめることがわかる
AIBUILDERZ

この記事の監修者

AIBUILDERZ編集部

for,Freelance株式会社

AI導入支援サービス「AIBUILDERZ」を運営するチームです。AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、企業のAI導入を一気通貫で支援しています。

  • AI研修
  • システム構築
  • 運用・定着

AIデザイン制作代行とは|従来の制作代行との違い

AIデザイン制作代行とは

まずは、AIデザイン制作代行がどのようなサービスなのかと、これまでのデザインの外注や、AIツールを自社で使う場合との違いを整理しておきましょう。

AIデザイン制作代行の意味

AIデザイン制作代行とは、画像生成AIなどのAIツールを使いこなす外部の会社や個人に、デザインの制作を依頼することです。ロゴ、営業資料、LP(ランディングページ)、商品画像、SNSの投稿画像、イラストなど、対象は幅広く、AIで案や素材を作り、人が整えて仕上げるのが一般的な進め方です。

「AIデザイン代行」「AI画像制作代行」「生成AIを使ったデザイン外注」など、呼び方は依頼先によってさまざまです。呼び方よりも、AIで作る部分と人が仕上げる部分がどう分かれているか、何が納品されるのかを確かめることが大切です。

従来のデザイン制作代行との違い

要望を聞き、案を出し、修正して納めるという流れは、従来のデザインの外注と変わりません。違いが出やすいのは、次の4つです。

比べる点 従来のデザイン制作代行 AIデザイン制作代行
案の数 2〜3案から選ぶことが多い 短い時間で多くの案を出し、方向を絞り込める
納期 1点ごとに数日〜数週間かかる 素材づくりの時間が短く、早く仕上がりやすい
費用 デザイナーの作業時間に比例する 同じ種類のものを多く作るほど、1点あたりが下がりやすい
確かめること 仕上がりの品質 仕上がりの品質に加え、既存の作品に似ていないか、使ったAIの規約

「AI生成のまま」と「人の仕上げ込み」の違い

AIデザイン制作代行は、AIが作ったものをほぼそのまま納める形と、AIで作った案を素材にして、人が文字組み・色・細部の修正まで仕上げる形に大きく分かれます。前者は安く速い一方、文字の崩れや不自然な部分が残ることがあります。後者は費用が上がりますが、社外に出せる品質にそろえやすくなります。

同じ「1点◯円」でも、どこまで人の手が入るかで中身はまったく違います。見積もりを比べるときは、価格より先に、人が仕上げる範囲と修正の回数をそろえることが大切です。

AIツールを自社で使う場合との違い

画像生成AIやデザインツールを契約して、社員が自分で作る方法もあります。ツールの料金は安く済みますが、指示の出し方を覚え、出てきた案を選び、整え、権利を確かめる手間はすべて社内に残ります。社内に作れる人と時間があれば自社で、なければ外部に頼む、と分けて考えるとよいでしょう。業務でのAIツールの選び方は AIツールのおすすめ でも紹介しています。

AIデザイン制作代行が増えている背景

代行が増えている背景

AIツールは個人でも使い始められます。それでもデザインの制作を外部に頼む企業が増えているのには、次のような背景があります。

デザインの量が増え、社内の手が足りない

ホームページ、SNS、営業資料、展示会のパネルなど、企業が用意するデザインの種類と量は増え続けています。一方で、AIを使いこなせる人は多くありません。IPA(情報処理推進機構)の調査でも、AIの導入・運用上の課題として「専門人材が不足している」と答えた企業が50.1%で最も多くなっています(出典:IPA『DX動向2026』)。

試作を早く、多く出せるようになった

AIを使えば、方向性の違う案を短い時間で並べて比べられます。これまで費用が合わずに外注を見送っていた小さなデザインや、何案も見比べたいデザインでも、外部に頼みやすくなりました。

権利や品質を自社だけで判断しにくい

AIで作ったデザインには、既存の作品に似てしまう、使ったAIの規約で商用利用が制限される、といった確かめごとがあります。冒頭のとおり、日本の企業の31.3%が生成AIの著作権のリスクを懸念しています。こうした確認まで含めて任せたいという理由で、外部に頼む企業もあります。

依頼できるデザインの種類と向き不向き

依頼できるデザインの種類

AIデザイン制作代行でよく依頼されるデザインと、それぞれでAIが役に立つところ、人が見るべきところを紹介します。あわせて、AIに任せにくいデザインも確かめておきましょう。

ロゴ・シンボルマーク

業種やイメージを伝えると、方向性の違う案を短い時間で多く出せるため、最初の方向を決める段階で役に立ちます。一方で、ロゴは長く使い、商標として登録することもあるデザインです。既存のロゴや登録済みの商標に似ていないかの確認と、人の手による仕上げが欠かせません。

営業資料・提案書・ホワイトペーパー

文章の構成づくり、図解の下書き、ページのレイアウト、挿絵の作成にAIを使えます。手元にある資料の見た目をそろえる、図を描き直すといった依頼は、AIの効果が出やすい仕事です。数字や事実の誤り、表記の揺れは人が確かめます。

LP・Webサイトのデザイン

画面の構成案、メインの画像、見出しの案などをAIで作り、デザイナーが仕上げる形です。デザインだけを頼むのか、ページとして公開できるところまで頼むのかで、費用と期間が大きく変わります。依頼の前に範囲を決めておきましょう。

商品画像・イメージ写真

商品写真の背景の差し替えや、使う場面をイメージした写真の作成に向いています。撮影の回数を減らせる一方で、商品そのものの形や色、ラベルの文字が実物と変わってしまうと、誤解を招く表示になりかねません。商品の見た目は、実物と同じかを必ず人が確かめる工程を入れておくことが大切です。

SNSの投稿画像・記事のアイキャッチ

同じ形で数多く作る画像は、AIの得意分野です。最初に色・文字の大きさ・配置のルールを決めておけば、1点ずつの指示を減らし、まとめて作れます。広告のバナーを量産する場合は AIバナー制作の代行 で詳しく解説しています。

イラスト・キャラクター

資料や記事の挿絵、案内用のイラストは、AIで作りやすいデザインです。会社の顔として長く使うキャラクターは、特定の作家の絵柄やほかのキャラクターに似ていないかを確かめ、権利の扱いを契約で決めてから使いましょう。

AIに任せにくいデザイン

次のようなものは、AIだけで作ると期待どおりにならないことが多いため、人が主に作る形を選びます。

任せにくいもの 理由 進め方
会社の顔になるロゴ・ブランドの中心の表現 独自性と権利の確かさが求められる AIは案出しまでにとどめ、デザイナーが仕上げる
細かな文字が多い印刷物 AIは文字を崩すことがある 文字組みは人が行う
実在の人物・他社の商品が写るもの 肖像や商標の問題が起きやすい 実際の撮影や許諾を得た素材を使う
法令で表示が決まっているもの 誤りがそのまま表示の違反になる 専門の担当者が内容を確かめる

AIデザイン制作代行のメリット・デメリット

メリット・デメリット

AIデザイン制作代行には、費用や速さの面での利点がある一方で、気をつけたい点もあります。両方を知ったうえで、頼むかどうかを決めましょう。

メリット

1つ目は、早く仕上がることです。素材づくりの時間が短くなるため、急ぎのデザインにも対応しやすくなります。2つ目は、多くの案を見比べられることです。方向性の違う案を並べて選べるので、社内の合意も取りやすくなります。3つ目は、同じ種類のものを多く作るほど、1点あたりの費用が下がりやすいことです。4つ目は、社内の担当者がデザインの作業から離れ、本来の仕事に時間を使えることです。

デメリット

1つ目は、品質がぶれやすいことです。同じ指示でも毎回違うものが出るため、仕上げの工程がない依頼先では、点ごとに品質が変わります。2つ目は、権利の確認が要ることです。既存の作品に似ていないか、使ったAIの規約で商用利用できるかを確かめる必要があります。3つ目は、ブランドの見た目がそろいにくいことです。色やフォントのルールを渡さないと、デザインごとに印象が変わってしまいます。

外注・自社・従来のデザイナーの使い分け

どの方法が合うかは、作る量と、そのデザインの重さで決まります。量が多く形の決まったものはAIに、会社の顔になるものは人に、と分けて考えることが大切です。次の表を目安にしてください。

こんなとき 向いている方法
社内に作れる人がいて、軽い画像を少しずつ作る AIツールを自社で使う
資料・画像・SNS用などを、毎月まとまった量で作る AIデザイン制作代行(月額やまとめての依頼)
ロゴやブランドの中心になるデザインを作る デザイナーが主に作り、AIは案出しに使う
作る量が多く、いずれは社内で回したい 代行で始めながら、社内で作れる仕組みを整える

AIデザイン制作代行の費用相場と料金の形

費用相場と料金の形

AIデザイン制作代行の費用は、デザインの種類、人が仕上げる範囲、修正の回数、依頼先の種類で大きく変わります。ここでは、料金の形と、デザインの種類ごとの目安を紹介します。

料金の形は3つ

料金の形 中身 向いている依頼
1点ごと デザイン1点ごとに料金が決まる ロゴや資料など、単発の依頼
まとめて(案件ごと) 決まった点数や1つの案件をまとめて見積もる LP、資料一式、キャンペーンの素材など
月額 月ごとの点数や作業の量の範囲で作り続ける SNSの投稿画像やアイキャッチなど、毎月続く依頼

デザインの種類別の目安

依頼先や仕上げの範囲によって幅がありますが、次の金額がおおよその目安です。出品サイトの個人は下の方、制作会社は上の方になりやすいでしょう。

デザイン 費用の目安
SNSの投稿画像・アイキャッチ 1点 数千円〜3万円程度
商品画像・イメージ写真 1点 数千円〜5万円程度
イラスト・挿絵 1点 数千円〜5万円程度
ロゴ 数万円〜30万円程度
営業資料・提案書 1本 数万円〜30万円程度(ページ数による)
LPのデザイン 10万円〜50万円程度(公開まで頼むと上がる)
毎月の制作(月額) 月10万円程度〜(点数と仕上げの範囲による)

AIで素材づくりの時間が短くなっても、要望の聞き取り、仕上げ、権利の確認にかかる人の時間は残ります。極端に安い見積もりは、人が仕上げる工程や権利の確認が省かれていないかを確かめましょう。

見積もりに含まれるもの・含まれないもの

見積もりを比べるときは、次の項目が含まれているかをそろえて確かめます。

項目 確かめること
案の数 最初に何案出してもらえるか
修正の回数 何回まで料金に含まれ、超えるといくらか
人の仕上げ 文字組み・色・細部の修正まで含まれるか
納品の形式 画像だけか、編集できる元のデータも含まれるか
サイズ違い 使う場所ごとのサイズ違いが含まれるか
権利の確認 似た作品がないかの確認や、使ったAIの規約の確認が含まれるか
素材の費用 有料の写真やフォントを使う場合の費用はだれが持つか

費用を抑えるコツ

費用を抑えるには、依頼の前に準備をしておくことが近道です。使う場所とサイズ、伝えたいこと、参考にしたいデザイン、使ってほしくない表現を1枚にまとめて渡すと、修正の回数が減ります。また、同じ形のものはまとめて頼む、ロゴやブランドの中心になるものだけにお金をかけて、ほかはAIの比重を上げる、といった分け方も効果的です。

AIデザイン制作代行の依頼先の種類と選び方

依頼先の種類と選び方

AIデザイン制作代行の依頼先は、大きく4つに分かれます。それぞれの向き不向きと、選ぶときに見ておきたい点を紹介します。

PR|AIBUILDERZ AI導入支援サービス

PR

AIBUILDERZ|AI導入支援サービス

システム構築は成果報酬型。AI研修から導入・構築・定着まで一気通貫で支援

AIBUILDERZ

AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、一気通貫で支援するサービスです。業務アプリの構築費は事前にいただかず、実際に稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。成果報酬型での対応は、当社が小規模と定義するシステムが対象です。

  • 業種・規模を問わず支援どの業務からAIやシステムに置き換えるかを一緒に決め、効果の大きい業務から順に進めます。
  • システム構築は成果報酬型業務アプリの構築費は事前にいただきません。稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。
  • AI導入の効果を可視化置き換える業務を一覧にし、導入前後の時間から、空いた時間とかからなくなった費用を毎月記録します。
  • 小さく始めて、リスクを管理影響の小さい業務から始め、AIの実行結果は担当者が確認・承認してから反映します。

出品サイトのフリーランス

クラウドソーシングやスキルマーケットの出品サイトで、AIを使ったデザインを出品している個人に頼む方法です。1点数千円から頼めるものもあり、早く安く頼めるのが利点です。一方で、品質は人によって大きく違い、要望の伝え方や仕上がりの確認は自社の仕事になります。単発の小さな依頼や、まず試してみたいときに向いています。

デザイン制作会社

従来からデザインを請け負ってきた制作会社が、AIを制作の工程に取り入れている形です。デザイナーが仕上げるため品質が安定しやすく、ロゴやLPなど、ブランドに関わるデザインに向いています。費用は高めですが、要望の整理から修正まで任せられます。

AIクリエイティブの専門会社

画像生成AIを使った制作を専門にしている会社です。商品画像、SNSの素材、広告の画像など、同じ形のものを多く作る依頼が得意で、月額の料金を用意していることもあります。毎月まとまった量を頼みたいときに向いています。

AI導入支援の会社

デザインそのものを作るのではなく、社内でAIを使ってデザインや資料を作れるように、ツールの選定、作り方のルールづくり、社員の研修を支援する会社です。外注に頼り続けるのではなく、いずれは社内で回したい企業に向いています。社内で回す進め方は AI内製化支援とは で解説しています。

依頼先を選ぶ7つの観点

中小機構の調査では、AI・ITの導入について「適切なベンダーや製品を選定する情報が十分にある」に当てはまらないと答えた中小企業が79.8%でした(出典:中小機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』2026年3月)。AIデザイン制作代行を選ぶときは、次の7つを比べてみてください。

# 観点 見るところ
1 作例 自社と近い用途のデザインを、どう仕上げたか
2 人の仕上げ AIで作ったあと、だれがどこまで手を入れるか
3 使うAIツール 商用利用できるツールか、規約を説明できるか
4 権利の扱い 権利の帰属と、似た作品の確認を契約に書けるか
5 ブランドの守り方 色・フォント・表現のルールを守る方法があるか
6 料金の範囲 案の数・修正の回数・元のデータが料金に含まれるか
7 線引き AIに向かないデザインを、向かないと言ってくれるか

とくに7つ目は大切です。何でもAIで作れると言う依頼先より、AIに向かない部分をはっきり伝えてくれる依頼先のほうが安心です。

相談のときに聞いておきたい質問

相談や見積もりの場では、次のような質問をしてみてください。答え方で、依頼先の進め方がよく分かります。

# 質問
1 どのAIツールを使い、その規約で商用利用はできますか
2 AIで作ったあと、人はどこまで手を入れますか
3 既存の作品や商標に似ていないかは、どう確かめますか
4 納品物の権利は、だれに帰属しますか
5 編集できる元のデータも納品されますか
6 修正は何回まで含まれ、超えた分はいくらですか
7 こちらが渡した資料や画像を、AIの学習に使うことはありますか

依頼から納品までの流れ

依頼から納品までの流れ

AIデザイン制作代行の一般的な流れは、次の6つのステップです。

01

作るものと使う場所を決める

何を、どこで、いつまでに使うのかを決めます。サイズ、点数、伝えたいこと、予算もこの段階で整理します。

02

依頼先に相談し、見積もりを比べる

同じ条件を伝えて、2〜3か所から見積もりを取ります。前の章の質問を使い、含まれる範囲をそろえて比べます。

03

要望を伝え、契約の条件を決める

参考のデザイン、使ってほしくない表現、ブランドのルールを渡します。権利の帰属、修正の回数、納品の形式を契約に書きます。

04

AIで案を作り、方向を決める

依頼先がAIで複数の案を作ります。並べて見比べ、進める方向を1つに絞ります。

05

人が仕上げ、確認と修正をくり返す

文字組み、色、細部を人が整えます。自社では、内容の誤り、ブランドのルール、既存の作品に似ていないかを確かめます。

06

納品を受け、使う場所に合わせて整える

完成したデータと、必要なら編集できる元のデータを受け取ります。使った指示や素材の記録も残してもらうと、次の依頼や確認に役立ちます。

期間の目安

SNSの画像やアイキャッチなら数日〜1週間程度、ロゴや資料なら2〜4週間程度、LPのデザインなら1〜2か月程度が目安です。社内の確認に時間がかかると、その分だけ延びます。確認する人と期限を、最初に決めておきましょう。

発注する側が用意するもの

ロゴのデータ、使う色とフォント、これまでのデザイン、参考にしたいデザイン、載せる文章、商品の写真などです。最初に渡す材料がそろっているほど、AIの案は狙いに近づき、修正の回数も減ります。

著作権・商用利用の確認

AIで作ったものを会社で使うときに、とくに確かめておきたいのが権利の扱いです。文化庁の資料をもとに、押さえておきたい点を紹介します。くわしい考え方は AIと著作権 で解説しています。

文化庁の資料では、人が指示を与えず、または簡単な指示を与えるだけでAIが作ったものは、著作物にあたらないと考えられるとしています。一方で、人がAIを道具として使い、具体的な指示や、作ったものへの加筆・修正といった「創作的寄与」があれば、著作物にあたる場合があるとしています(出典:文化庁「AIと著作権に関する考え方について【概要】」)。

つまり、AIが作ったままのデザインは、他社にまねされても権利を主張しにくいことがあります。ロゴのように独自性を守りたいデザインほど、人が手を入れて仕上げる意味は大きくなります。

著作権の侵害になるかは、既存の作品との「類似性」と「依拠性」で判断されます。AIで作った場合も同じで、利用者がもとの作品を知らなくても、AIの学習に含まれていたなどの事情から依拠性が認められることがあるとされています(出典:同上)。

そのため、特定の作家名や作品名を指示に入れない、公開の前に似た作品がないかを確かめる、といった対応が大切です。文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」でも、使うAIの規約の確認や、公開前の類似の確認などが挙げられています。

ロゴや商品名は、著作権に加えて商標にも気をつけます。AIで作ったロゴが、すでに登録されている商標に似ていると、使えなくなったり、登録できなかったりすることがあります。特許庁の商標は、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調べられます。大切なロゴは、弁理士などの専門家に相談しておくと安心です。

AIデザイン制作代行を頼むときは、次の項目を契約や発注書で決めておきましょう。

項目 決めておくこと
権利の帰属 納品物の権利が自社に移るのか、利用を認める形なのか
使うAIツール どのツールを使い、その規約で商用利用できるか
第三者の権利 他人の権利を侵害しないことの確認と、問題が起きたときの対応
渡す資料の扱い 自社の資料や画像をAIの学習に使わないか、作業のあと消すか
作例としての公開 依頼先が作例として公開してよいか
制作の記録 使った指示や素材の記録を残し、求めたときに見せてもらえるか

権利の扱いは納品のあとでは変えにくいため、発注の前に書面で決めておくことが大切です。社外のAIに資料を渡すときの注意は 生成AIの情報漏洩対策 もあわせてご覧ください。

ブランドを守りながら頼み続ける方法

ブランドを守って頼み続ける

AIデザイン制作代行を1回で終わらせず、続けて頼むなら、デザインの見た目がそろう仕組みを作っておくことが大切です。

デザインのルールを1つにまとめて渡す

ロゴの使い方、使う色、フォント、写真やイラストの雰囲気、使わない表現を1つの資料にまとめます。良い例と悪い例の画像を並べておくと、依頼先もAIへの指示に落とし込みやすくなります。

社内で確認する人と基準を決める

だれが、何を見て、どこまでならよしとするのかを決めます。内容の正しさ、ブランドのルール、権利の3つに分けて確認する項目を作っておくと、担当者が変わっても判断がぶれにくくなります。確認の基準が決まっていれば、依頼先が変わってもブランドの見た目を守れます。

一部を社内で作れるようにする

SNSの画像や資料の挿絵のように、量が多く、ルールが決まっているデザインは、社内で作れるようにする方法もあります。外部には新しいものやブランドの中心になるものを任せ、決まった形のものは社内で回すと、費用と速さのバランスを取りやすくなります。外注と内製の分け方は AIアウトソーシングとは でも解説しています。

AIデザイン制作代行でよくある失敗と対策

よくある失敗と対策

AIデザイン制作代行で起きやすい失敗と、その対策を5つ紹介します。

安さで選び、仕上がりが社外に出せなかった

AIで作ったままの納品で、文字の崩れや不自然な部分が残っていたという失敗です。人が仕上げる範囲と修正の回数を見積もりの段階でそろえ、作例で仕上がりの水準を確かめてから頼みましょう。

ほかの作品に似ていると指摘された

公開したあとに、既存の作品やロゴに似ていると指摘されるケースです。作家名や作品名を指示に入れないこと、公開の前に似たものがないかを確かめることを、依頼先と社内の両方の手順に入れておきます。

デザインごとに印象がばらばらになった

点ごとに違う人やツールで作り、ブランドの見た目がそろわなくなる失敗です。見た目のルールを1つにまとめて渡し、確認する人を決めておくことで防げます。

元のデータがなく、自社で直せなかった

画像だけを受け取り、文字や色を少し変えたいときに毎回依頼し直すことになるケースです。編集できる元のデータを納品物に入れるかを、発注の前に決めておきましょう。

修正が続き、費用と期間がふくらんだ

要望があいまいなまま進め、方向が決まらずに修正をくり返す失敗です。最初に使う場所、伝えたいこと、参考のデザインを1枚にまとめ、案を並べた段階で方向を1つに絞ってから仕上げに進みます。どの失敗も、発注の前に決めておくことで多くは防げます。

AIデザイン制作代行に関するよくある質問

よくある質問
Q. AIデザイン制作代行の費用はどのくらいですか?
SNSの画像やアイキャッチなら1点数千円〜3万円程度、ロゴなら数万円〜30万円程度、LPのデザインなら10万円〜50万円程度が目安です。人が仕上げる範囲や修正の回数で大きく変わるため、含まれる範囲をそろえて比べましょう。
Q. AIで作ったデザインは商用利用できますか?
まず、使ったAIツールの規約で商用利用が認められているかを確かめます。そのうえで、既存の作品や商標に似ていないかを別に確かめる必要があります。依頼先に、使うツールと規約、似た作品の確認の方法を聞いておきましょう。
Q. 納品されたデザインの著作権は自社のものになりますか?
契約の内容によります。また、AIが作ったままのデザインには著作権が生じないこともあります。権利の帰属と、人がどこまで手を入れるかを、契約の前に確かめておきましょう。
Q. AIで作ったロゴを商標登録できますか?
すでに登録されている商標に似ていると、登録できなかったり、使えなくなったりすることがあります。J-PlatPatで似た商標がないかを調べ、大切なロゴは弁理士などの専門家に相談すると安心です。
Q. 渡した資料や画像がAIの学習に使われることはありますか?
使うツールや設定によって異なります。学習に使われない設定や契約のツールを使っているか、作業のあとにデータを消すかを、依頼先に確かめておきましょう。
Q. 依頼してから納品まで、どのくらいかかりますか?
SNSの画像なら数日〜1週間程度、ロゴや資料なら2〜4週間程度、LPのデザインなら1〜2か月程度が目安です。社内の確認にかかる時間も見込んでおきましょう。
Q. 無料のAIツールで自社で作るのと、どちらがよいですか?
社内に作れる人がいて、軽い画像を少しずつ作るなら自社で十分なこともあります。作る量が多い、品質をそろえたい、権利の確認まで任せたいときは、代行に頼むほうが社内の手間を減らせます。
Q. AIが広がると、デザイナーに頼む必要はなくなりますか?
なくなるとは言えません。案出しや素材づくりはAIで速くなりますが、ブランドに合っているかの判断や細部の仕上げ、権利の確認には人の目が欠かせません。AIとデザイナーの役割を分けて使うのが現実的です。

まとめ

まとめ

AIデザイン制作代行で押さえておきたい点を、5つにまとめます。

01
AIデザイン制作代行は、AIで案や素材を作り、人が仕上げて納めるサービス
02
量の多い決まった形のデザインほど効果が出やすく、ロゴなどブランドの中心は人が主に作る
03
費用は人が仕上げる範囲・修正の回数・元のデータの有無をそろえて比べる
04
使うAIの規約、似た作品の確認、権利の帰属を発注の前に書面で決める
05
見た目のルールと確認する人を決め、決まった形のものは社内で回すことも考える

広告のバナーの外注は AIバナー制作の代行、記事や文章の外注は AIライティング・記事作成代行とは、AIで作ったものの権利は AIと著作権 もあわせてご覧ください。