営業担当がリスト作成や議事録の入力に追われ、肝心の商談に時間を割けない。アプローチの数を増やしたくても、人を増やす余裕はない。AIで営業を支援・自動化できると聞くものの、どの業務を、どのツールで、どこまで任せてよいのかがわからない。そんな悩みを抱える営業責任者は少なくありません。中小機構が2026年3月に公表した調査では、AIを導入している中小企業は20.4%でした。業務分野別に見ると、営業・販売・サービス部門の導入率は60.3%で、総務・管理部門(68.3%)に次いで高くなっています。一方で、「適切なベンダーや製品を選定する情報」が足りないと答えた企業は79.8%にのぼりました(出典:中小機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』2026年3月)。

そこで本記事では、AI営業支援の自動化を、リスト作成・アプローチ・商談・提案・案件管理の工程ごとに整理します。あわせて、ツールの種類と選び方、主な7製品の公式情報での比較、自社の数字で効果を見積もる試算の手順、導入のステップ、個人情報や営業メールの決まりまで、着手する前に知っておきたいことをまとめました。営業そのものをAIに置き換えるのではなく、商談の前後にある作業をAIに任せ、人は商談と関係づくりに集中する。この考え方を軸に読み進めてください。

この記事でわかること

  • 工程ごとに自動化できる作業
  • 主な7製品の強みと料金の違い
  • 自社の数字で効果を試算する手順
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この記事の監修者

AIBUILDERZ編集部

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AI営業支援の自動化とは|できることと2026年の現在地

AI営業支援の自動化とは|できることと2026年の現在地

AI営業支援の自動化とは、営業担当が手作業で行ってきたリスト作成・メール作成・議事録・SFAへの入力などを、生成AIやAIエージェントに任せて減らしていく取り組みです。ツールを入れること自体が目的ではありません。営業の流れを見直し、人がやる仕事とAIに任せる仕事を分け直すことが中心になります。

営業支援の自動化は「作業の置き換え」から始まる

営業の仕事は、大きく「顧客と向き合う時間」と「その前後の準備や記録の時間」に分かれます。自動化の対象になるのは、主に後者です。見込み客を探して並べる、初回のメールを書く、商談の内容を記録する、提案書のたたき台を作る、案件の状況をまとめて報告する。こうした作業は手順がある程度決まっていて、量が多いほどAIの効き目が大きくなります。

一方で、顧客の本音を聞き出す、条件を交渉する、信頼関係を築くといった仕事は、今も人が担う領域です。AIで浮いた時間をこちらに回せるかどうかが、自動化の成果を左右します。

従来のSFA・MAとAIによる自動化はどこが違うのか

SFA(営業支援システム)やMA(マーケティング自動化)も、これまで営業の効率化に使われてきました。ただし、その役割は主に「記録して管理する」「決めたルールどおりに配信する」ことでした。データを入れるのは人で、どのメールを誰に送るかのルールも人が決めます。

AIが加わると、ここに「読み取る・考える・書く」が足されます。商談の録音から要点を抜き出してSFAに入れる、相手の会社に合わせてメールの文面を書き分ける、過去の受注の傾向から有望な見込み客を並べ替える、といった作業です。

比べる点 従来のSFA・MA AIによる自動化
得意なこと 記録・管理・ルールどおりの配信 要約・文章の作成・予測・判断の補助
データの入力 営業担当が手で入れる メールや商談の録音から自動で入れられる
メールの文面 テンプレートを一斉に送る 相手ごとに文面を書き分けられる
優先順位 人が決めたルールで並べる 過去のデータから有望な順に並べる
注意点 入力されないとデータが空になる 出力の誤りを人が確かめる工程が要る

営業AIは「4層」で捉えると選びやすくなる

営業向けのAIツールは数が多く、何から選べばよいか迷いがちです。そこで役に立つのが、営業AIを4つの層に分けて考える整理です。自社の悩みがどの層にあるかがわかれば、候補のツールを絞り込めます。

層 代表的なツール 主な役割
生成AI層 ChatGPT・Claude・Gemini など メール文面・トークスクリプト・提案文の作成
SFA・CRMのAI層 Salesforce・HubSpot など 案件管理・受注の予測・次の行動の提案
商談録音のAI層 商談解析・議事録のツール 録音・文字起こし・議事録・次の行動の抽出
提案資料のAI層 Microsoft 365 Copilot・Gamma など 提案書・資料のたたき台の作成

多くの企業は、手軽な生成AI層から始めます。ただ、効果が大きくなるのは、層どうしをつないで営業の流れ全体を通したときです。本記事では、この4層を踏まえながら、どの工程で何を自動化できるかを順に見ていきます。

なぜ今、営業の自動化が求められているのか

背景にあるのは、人手不足と、商談以外の作業の多さです。営業担当の1日のうち、顧客と向き合う時間は一部にすぎず、残りはリスト作成・情報の入力・資料作成といった、売上に直接はつながらない作業に使われています。

中小機構の同じ調査では、AIの導入の目的として「業務効率化/作業時間の短縮」が87.0%で最も多く、導入した企業が感じた効果でも「業務効率化/作業時間の短縮」が83.2%、「人手不足対応」が33.9%と続いています(出典:中小機構)。人を増やさずに作業の時間を減らす手段として、営業の現場でもAIが選ばれ始めています。

2026年の大きな変化は、AIが「指示を待って手伝う」段階から、「決められた範囲の作業を自分で進める」段階(AIエージェント)に進んだことです。リスト作成からメールの送信、返信があった見込み客の仕分けまでを、人が都度指示しなくても回せる製品が増えてきました。

AIに任せる業務と、人が担う業務の分け方

どこまでをAIに任せるかは、「手順が決まっているか」と「間違えたときの影響が大きいか」の2つで考えるとわかりやすくなります。手順が決まっていて、間違えても人が直せる作業はAIに任せやすく、相手との関係や契約に関わる判断は人に残します。

区分 主な業務 考え方
AIに任せやすい リスト作成・情報の補完・議事録・SFAへの入力・メールの下書き 量が多く手順が決まっている。誤りは人が直せる
AIが下書きし人が仕上げる 初回メール・提案書・見積書・フォローの文面 相手に届く前に、人が事実と言い回しを確かめる
人が担う ヒアリング・交渉・クロージング・重要顧客への対応 相手との関係や契約に直接かかわる

相手に届くものは「AIが下書きし、人が最後に確かめる」形を残しておくことが大切です。この線を決めておくと、自動化を広げても事故が起きにくくなります。

自動化できる営業プロセスの全体マップ

自動化できる営業プロセスの全体マップ

営業はおおむね、リード獲得、アプローチ、商談、提案・案件管理、フォローの順に進みます。それぞれの工程でAIに任せられる作業と、人が担う部分を並べたのが次の表です。商談とクロージングは人が担い、その前後の作業をAIに寄せるのが基本の形です。

営業プロセス AIで自動化できる業務 担う層 人が担う部分
リード獲得 リスト作成・スコアリング・優先順位づけ 生成AI・SFA 狙う顧客の決定
アプローチ メール文面の作成・送信・架電・初回のフォロー 生成AI・エージェント トーンと方針の設計
商談 事前リサーチ・録音・文字起こし・議事録・要点の抽出 商談録音のAI 商談・交渉・関係づくり
提案・案件管理 提案書と見積書の下書き・SFAへの入力・次の行動の提案・予実のまとめ 提案資料のAI・SFA 提案内容の最終判断
フォロー 追客メール・リマインド・休眠顧客への再アプローチ 生成AI・エージェント 重要顧客への個別対応

次の章から、工程ごとに「何を、どこまで自動化できるか」を掘り下げます。その前に、自社のどの工程に自動化の余地があるかを確かめておきましょう。

自社の自動化の余地がわかるセルフチェック

次の表の質問に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。「はい」が多い工程ほど、自動化で減らせる作業が多いと考えられます。営業チームの数人に同じ質問をして、答えを比べるのもおすすめです。

工程 確かめる質問 「はい」が多いときの候補
リード獲得 リストを手作業で作っているか。企業の情報を1社ずつ調べているか。既存の顧客との重複を目で確かめているか リスト作成と情報の補完の自動化
アプローチ 初回メールを1通ずつ書いているか。送ったあとの開封や返信を追えていないか。返信の振り分けに時間がかかっているか メールの作成・送信・返信の仕分け
商談 商談の前に相手の会社を調べる時間が取れていないか。議事録を商談のあとにまとめて書いているか。次にやることが担当の記憶頼りか 事前リサーチ・録音・議事録の自動化
提案・見積 提案書を毎回ほぼ一から作っているか。見積書の作成に担当ごとの差があるか 提案書・見積書のたたき台の作成
案件管理 SFAへの入力が後回しになっているか。週次の報告や予実の集計を手で作っているか SFAへの自動入力・レポートの自動作成
フォロー 失注した相手や休眠の顧客に連絡できていないか。フォローの時期を担当が個別に覚えているか 追客メールとリマインドの自動化

「はい」が最も多かった工程が、最初に手をつける候補です。あわせて、その工程に週あたり何時間かかっているかをメモしておくと、後の章の試算にそのまま使えます。

【リード獲得】リスト作成とスコアリングの自動化

【リード獲得】リスト作成とスコアリングの自動化

業種ごとに先に手をつけたい工程

同じ営業でも、商談の件数が多い業種と、1件の商談が長い業種では、先に自動化すると効きやすい工程が変わります。自社の商談の件数と長さから、どの工程で時間が一番減るかを先に決めるのがおすすめです。業種ごとに他社がどの業務からAIを使い始めているかは、業種別の事例の記事にまとめています。

業種 営業の特徴 先に手をつけたい工程 事例の参照先
製造 見積もりの引き合いが多く、仕様の確認に時間がかかる 見積書の作成・商談の前のリサーチ 製造業のAI活用事例
建設 現場と事務所が離れ、記録が後回しになりやすい 商談の録音・議事録・SFAへの入力 建設業のAI活用事例
不動産 問い合わせの初速が成果を左右する 問い合わせ直後の返信・日程調整 不動産のAI活用事例
金融・保険 説明の正確さと記録の残し方が厳しく求められる 商談の文字起こし・応対の記録 金融・銀行のAI活用事例
IT・SaaS 新規開拓の件数が勝負になりやすい リスト作成・メールの下書き・追客 中小企業のAI導入事例
医療・介護 紹介や地域の関係づくりが中心で、事務が重い 資料の作成・報告の自動まとめ 病院・クリニックのAI導入事例/介護のAI活用事例

表のとおり、工程の選び方は業種の事情に沿って変わります。業種を問わず共通する考え方と失敗の避け方は、中小企業のAI導入事例でも業務別に整理しています。

営業の起点になるリスト作成は、AIの効き目が出やすい領域のひとつです。手作業で集めていた見込み企業のリストを条件で抜き出し、受注につながりやすい順に並べるところまで自動化できます。

リード獲得で自動化できること

リード獲得でAIに任せられるのは、「集める・絞る・並べる」という、量と判断が絡む作業です。

作業 AIがすること
リストの作成 業界・規模・地域・役職などの条件で、見込み企業と担当者を抜き出す
企業情報の補完 URL・電話番号・事業内容など、足りない情報を調べて埋める
スコアリング 自社の受注の傾向をもとに、受注につながりやすい順に並べ替える
名寄せ・重複の除外 既存の顧客との重複や、社名の表記ゆれを整理する

リスト作成は、数をこなすほど成果につながる一方で、人がやると時間を大きく取られる作業です。まずリスト作成をAIに寄せるだけでも、営業担当が商談の準備やアプローチに使える時間を増やせます。

リスト作成を社内で回すときの進め方

リスト作成を外部に頼まず社内で回すなら、最初に「どんな会社を狙うか」を言葉にしておくことが欠かせません。業種・従業員数・地域・最近の動き(採用、拠点の新設、資金調達など)といった条件を書き出し、AIに渡す指示の土台にします。

次に、抜き出したリストを誰が確かめ、どのタイミングでSFAに入れるかを決めます。AIが集めた情報には古いものや誤りが混じることがあるため、最初の数回は人が抜き取りで中身を確かめ、条件を直していく運用が安全です。営業の対象を広げたい企業は、当社のAI Sales Agentのように、リスト作成からアポイントの獲得までを外部に任せる方法もあります。

リード獲得|導入の前と後で変わること

リード獲得を自動化すると、リストを作る作業そのものが小さくなります。どれだけ時間が減るかは、今の作り方とリストの件数で変わるため、自社の値で確かめてください(試算の手順は効果の試算の章で紹介します)。

業務 導入前 導入後 変わること
リストの作成 検索とコピーの手作業 条件を指定して自動で抜き出す 作業の時間が減り、件数を増やしやすい
企業情報の補完 1社ずつWebで調べる AIが自動で補う 調べる手間がほぼなくなる
スコアリング 勘と経験で判断 受注の傾向から自動で算出 担当が替わっても同じ基準で並ぶ

スコアリングでは、過去の受注データ(受注した企業の業種・規模・接触のきっかけ)をAIに読ませ、似た特徴の企業ほど上に並ぶようにします。受注の見込みが高い順に連絡できるため、同じ件数でも時間の使い方が変わります。

リスト作成ツールの選び方と精度の高め方

リスト作成のツールを選ぶときは、「データの新しさ」「自社のデータとつなげられるか」「除外の条件を設定しやすいか」の3点を見ます。古い企業データを大量に集めても、連絡したら部署がなくなっていた、では意味がありません。更新の頻度が高いデータを使い、既存の顧客や失注した相手を自動で除ける仕組みが大切です。

精度を上げる近道は、受注した顧客の共通点をAIに学ばせることです。過去の受注先の業種・規模・きっかけを分析し、似た企業を上に並べます。リストは作って終わりではなく、アプローチの結果を戻して毎月見直していくと、だんだん精度が上がっていきます。

【アプローチ】メール・架電・フォローの自動化

【アプローチ】メール・架電・フォローの自動化

リストができたら、次は初回の接触です。メールの文面づくりと送信から、架電、返信の振り分けまでを自動化できます。人の手では限界があった「1社ずつ合わせた連絡を、数多く、すぐに」を実現しやすい工程です。

アプローチで自動化できること

作業 AIがすること
初回メールの作成 相手の会社の事業に合わせて、1社ずつ文面を書き分ける
送信と開封の計測 決めた時間に送信し、開封やクリックを記録する
AIによる架電 一次の架電をAIの音声が受け持ち、反応のあった相手だけを人につなぐ
返信の仕分け 返信の内容を読んで「商談に進む」「保留」「対象外」に分ける

アプローチ|導入の前と後で変わること

アプローチを自動化すると、相手に合わせた連絡を、質を落とさずに増やしやすくなります。

業務 導入前 導入後 変わること
初回メールの作成 1通ずつ手で書く AIが1社ずつ下書きする 送れる件数を増やしやすい
送信のタイミング 担当の手が空いたとき 決めた曜日・時間に自動で送信 送り忘れや偏りが減る
一次の架電 人が全件にかける AIの音声が一次を受け持つ 人は反応のあった相手に集中できる
返信の仕分け 目で見て振り分ける 商談・保留・対象外に自動で分ける 対応の漏れを防げる

反応を高めるアプローチの組み立て方

自動化しても、誰にでも同じ文面では反応は取れません。AIの強みは、相手の会社の事業や最近の発表を踏まえて、1社ずつ文面を変えられることです。「貴社の◯◯の取り組みを拝見し」のように、相手のことを調べたうえでの一文があるかどうかで、読まれ方は変わります。

組み立てで効いてくるのは、件名・送る時間・フォローの回数の3つです。件名は複数の案を比べて良いほうを残し、読まれやすい曜日と時間に送ります。1回で終わらせず、間隔を空けて2〜3回フォローする流れにしておくと、反応が積み上がっていきます。これらの繰り返しの作業をAIに任せます。

フォローと休眠顧客の掘り起こしも自動化できる

見落とされがちなのが、商談のあとのフォローと、しばらく連絡が途絶えた顧客への再アプローチです。担当が忙しくなると真っ先に後回しになる作業ですが、AIに任せれば抜けがなくなります。

たとえば、資料を送って一定の日数がたった相手に確認のメールを下書きする、失注から数か月たった相手に新しい事例の案内を送る、展示会で名刺交換した相手にお礼と資料を送る、といった流れです。いずれも文面はAIが作り、送る前に担当が目を通す形にしておくと安心です。広告や宣伝を含むメールを送るときは、後の章で触れる特定電子メール法の決まりも確かめておきましょう。

【商談】事前準備・議事録・次の一手の自動化

【商談】事前準備・議事録・次の一手の自動化

商談そのものは人が担いますが、その前後の調べものと記録はAIで大きく減らせます。商談の前に相手の情報をまとめ、商談中は録音し、終わったあとは文字起こし・議事録・次にやること(ネクストアクション)の抽出まで自動で進めます。

商談の前のリサーチと準備を自動化する

商談の質は準備で決まると言われますが、件数が増えるほど準備の時間は削られがちです。AIを使えば、相手の会社の事業内容、最近の発表、過去のやり取りの履歴をまとめた1枚のメモを、商談の前に自動で用意できます。

あわせて、想定される質問とその答え、確かめたい点(予算・決裁の流れ・導入の時期など)の一覧もAIに下書きさせておくと、商談で聞き漏らしが減ります。問い合わせや資料請求をきっかけに、相手の会社を自動で調べる機能を持つ製品もあります。

商談で自動化できること

作業 AIがすること
録音・文字起こし オンラインや電話の商談を録音し、全文を文字にする
議事録の作成 要点・決まったこと・課題を整理して要約する
次にやることの抽出 「いつ・誰が・何をするか」を抜き出してタスクにする
SFA・CRMへの反映 商談の内容を案件管理のシステムに入れる

商談の録音をAIで分析すると、記録の手間が減るだけでなく、成果を出している営業担当の話し方や質問の順番を言葉にして、チームで共有できるようになります。一人ひとりの頭の中にあった営業のコツを、チームで使える形に残せることも、商談のAIの大きな価値です。

商談|導入の前と後で変わること

商談の録音をAIに任せると、商談のあとの記録作業から営業担当が離れられるようになります。

業務 導入前 導入後 変わること
議事録の作成 商談のあとに手で書く 自動で作られる 記録の時間が小さくなる
次にやることの整理 記憶頼りで抜けが出る AIが抜き出してタスクにする 対応の漏れを防げる
SFA・CRMへの入力 後回しになり未入力が多い 商談の内容を自動で反映 データが正しくたまる
営業のコツの共有 担当ごとに閉じている 話し方を言葉にして共有 チームで同じ型を使える

商談の録音AIを定着させるコツ

録音されることに相手が身構えてしまっては本末転倒です。商談の冒頭で「議事録を作るため、録音させていただいてもよろしいでしょうか」と一言添え、了承を得てから録音するルールを徹底しましょう(個人情報・録音・営業メールの決まりの章も参照してください)。

定着のコツは、議事録のひな形を自社用に整えることです。「課題・予算・決裁者・導入の時期・次にやること」など、自社が必ず押さえたい項目をひな形にしておくと、AIがその形で要約します。記録の質が商談ごとにぶれなくなり、担当の引き継ぎもスムーズになります。次にやることは「誰が・いつまでに」まで書かせるようにしておきましょう。

【提案・案件管理】提案書・見積書・予実管理の自動化

【提案・案件管理】提案書・見積書・予実管理の自動化

商談のあとの提案書と見積書の作成、そして案件の管理もAIで効率化できます。ゼロから資料を作る時間を減らし、営業が苦手にしがちなSFAへの入力や報告づくりを自動化すると、提案のスピードが上がり、マネージャーも状況をつかみやすくなります。

提案・案件管理で自動化できること

作業 AIがすること
提案書の作成 商談の内容をもとに、提案書のたたき台を作る
SFA・CRMへの入力 メールや商談の履歴から、案件の情報を記録する
受注の見込みの予測 過去のデータから、案件ごとの受注の見込みを示す
次の行動の提案 次に何をすべきかを案件ごとに示す

とくにSFAへの入力は、「面倒で入力されない、だから分析できない」という悪い流れの元になりがちでした。AIが自動で入れるようになると、データが正しくたまり、マネジメントの判断もしやすくなります。

見積書の作成をAIで速く正しくする

見積書は、商品の組み合わせや値引きの条件が絡むため、担当によって出来や速さに差が出やすい書類です。AIに任せるなら、まず価格表と値引きのルール、よく使う構成を1か所にまとめておくことが前提になります。

そのうえで、商談の議事録から必要な品目と数量を読み取り、見積書の下書きを作らせます。金額や条件は誤りが許されないため、最終の確認と承認は必ず人が行います。SFAの中で見積書を作れる製品であれば、案件の情報と見積がひとつにまとまり、あとから探す手間も減ります。

提案・案件管理|導入の前と後で変わること

提案書の作成とSFAへの入力を自動化すると、資料づくりが追いつかずに提案が遅れる、という詰まりが解けやすくなります。

業務 導入前 導入後 変わること
提案書の作成 毎回ほぼ一から作る たたき台を自動で作る 作成の時間が縮む
SFAへの入力 面倒で入力されない メールや商談から自動で入力 データの抜けがなくなる
受注の見込みの把握 担当の感覚 過去のデータから自動で予測 優先する案件がはっきりする

提案のAIで差をつける使い方

提案資料のAIは、見栄えのよい資料をすぐに作れます。ただ、そのまま出すと他社の提案と似たものになりがちです。差をつけるには、過去に受注した提案の構成や訴求の仕方をAIに読ませ、自社らしい提案のたたき台を作らせることです。

もうひとつ欠かせないのが、人による最後の確認です。AIは数字や固有名詞を間違えることがあります。提案書は受注を左右する書類なので、AIがたたき台を作り、人が事実を確かめて、相手に響く一言を足す分担がうまくいきます。

案件管理・予実管理・レポートも自動でまとまる

マネージャーの負担が大きいのが、週次の報告や予実(予算と実績)の集計です。SFAに案件のデータが正しくたまっていれば、AIに「今週動いた案件」「止まっている案件」「今月の着地の見込み」をまとめさせることができます。

止まっている案件を見つけて担当に知らせる、会議の前に数字のまとめと論点を用意する、といった使い方も可能です。ただし、もとになるデータが空のままでは、AIも正しくまとめられません。前の工程で入力を自動化しておくことが、この工程の前提になります。

AI営業支援ツールの種類と選び方

AI営業支援ツールの種類と選び方

AI営業支援ツールは、最初に紹介した4層(生成AI・SFAとCRM・商談録音・提案資料)で分けると選びやすくなります。自社の悩みがどの層にあるかを起点に、必要な層から入れるのが失敗しにくい進め方です。

層 代表的なツール 主な機能 向いている企業
生成AI層 ChatGPT・Claude・Gemini メール・スクリプト・提案文の作成 まず手軽に始めたい企業
SFA・CRMのAI層 Salesforce・HubSpot 案件管理・受注の予測・次の行動の提案 営業の人数や案件が多い企業
商談録音のAI層 商談解析・議事録のツール 録音・文字起こし・議事録・営業のコツの共有 商談が多く、やり方が人によってばらつく企業
提案資料のAI層 Microsoft 365 Copilot・Gamma 提案書・資料の作成 提案の回数が多い企業

SFA・CRM型|案件と顧客の情報をAIで動かす

SFA・CRMにAIが組み込まれた型です。案件と顧客の情報が1か所に集まっているため、入力の自動化、受注の見込みの予測、次の行動の提案、予実のまとめまでを同じ画面で扱えます。すでにSFAを使っている企業は、まず今のSFAのAI機能で何ができるかを確かめるのが近道です。

一方で、営業の進め方そのものが決まっていないと、何を入力し、何を予測させるかも決まりません。導入の前に、案件の段階(初回接触・提案・見積・交渉など)の定義をそろえておきましょう。

営業メール・インサイドセールス自動化型|接触の数と速さを上げる

見込み客のリスト作成、メールの作成と送信、問い合わせへの即時の対応、日程調整などを自動化する型です。新規開拓の量を増やしたい企業や、問い合わせから商談までの時間を縮めたい企業に向いています。

この型は相手に直接届く連絡を扱うため、送る量を増やすほど、文面の質と法令の決まりへの配慮が大切になります。送信前に人が確かめる流れと、配信停止の求めにすぐ応じられる仕組みがあるかを確かめてから選びましょう。

商談解析・議事録型|記録を減らし営業のコツを残す

電話やオンラインの商談を録音・文字起こしし、議事録や次にやることを自動で作る型です。記録の手間が減るだけでなく、話し方や質問の仕方を分析して、新人の育成に使うこともできます。

選ぶときは、使っている電話やWeb会議のツールで録音できるか、作った議事録をSFAに自動で入れられるか、専門用語を正しく文字にできるかを確かめます。無料の試用期間があれば、自社の実際の商談で文字起こしの精度を見ておくと安心です。

生成AIによる資料作成型|提案書とメールの下書きを速くする

ChatGPTやMicrosoft 365 Copilotのような生成AIで、提案書・メール・トークスクリプトの下書きを作る型です。1人あたり月数千円から始められるものが多く、最初の一歩として選ばれやすい型です。

手軽な反面、顧客の情報を入力するときの扱いには注意が要ります。入力したデータがAIの学習に使われない設定や契約になっているかを、使い始める前に必ず確かめましょう。

AI営業支援ツールの費用の目安と、費用が変わる3つの要因

料金は型によって桁が変わります。公式サイトで公開されている額をならすと、おおむね次の3つの層に分かれるのが目安です。月額の安さではなく、減らせる時間を人件費に換算した額と比べて判断することが大切です。

層 当てはまる型 費用の目安 向いている状況
入門層 生成AIによる資料作成型、無料プランのあるSFA・CRM型 1人あたり月0〜5,000円程度 まず提案書やメールの下書きだけを速くしたい
本格層 SFA・CRM型、商談解析・議事録型 1人あたり月3,000〜2万円程度。10人分からの契約で、組織では月5万〜20万円程度になる製品もある 案件の管理や商談の記録を組織でそろえたい
一括自動化層 営業メール・インサイドセールス自動化型 月4万〜15万円程度。初期費用として10万〜30万円程度がかかるものもある リスト作成から商談化までを1つの仕組みで回したい
個別構築 自社の手順に合わせて仕組みを作る 要見積もり(対象の工程の数と連携先の数で変わる) 既製のツールでは手順が合わない工程がある

同じ型の中でも額が開くのは、次の3つが効くからです。見積もりを取るときは、この3つを先に決めてから依頼すると、各社の額を同じ条件で比べられます。

要因 どう効くか 依頼の前に決めること
任せる工程の広さ 1工程だけか、リード獲得から案件管理までを通すかで大きく変わる 最初に任せる工程を1〜2個に絞る
利用人数と契約の単位 1人あたりの額が同じでも、最低契約人数が10人なら実際の支払いは10人分になる 使う人の数と、最低の契約人数を確かめる
AI機能が別料金か 基本の料金にAI機能が含まれず、上位プランや追加の契約が必要な製品がある 使いたいAI機能が、どのプランに入るかを確かめる

AIの導入そのものにかかる費用の相場は、AI導入の費用相場で形態別・工程別にまとめています。

比べる前にそろえたい確認項目

候補が2〜3製品に絞れたら、同じ項目で比べます。機能の多さより、自社の工程で本当に使えるかを中心に見るのがポイントです。

項目 確かめること
機能 自動化したい工程の作業を、その製品だけで回せるか
連携 今使っているSFA・CRM・メール・カレンダー・Web会議とつながるか
精度 自社の商談や文面で試したとき、実務で使える出来か
データの扱い 入力したデータが学習に使われないか。保存場所と権限の設定
サポート 初期設定の支援、日本語での問い合わせ、定着までの支援があるか
料金 1人あたりの月額、最低の契約人数、年間契約の有無、AI機能が別料金か

ツール選びで失敗しないための考え方

よくある失敗が、話題のツールを入れてみるところから始めてしまうことです。先に自社の営業のどこで時間が取られているかを特定し、その層のツールから入れることが、失敗を避ける一番の近道です。

今の悩み 最初に検討する層
リストづくりに時間を取られている 生成AI層と、リスト作成の仕組み
案件の管理が担当ごとにばらばら SFA・CRMのAI層
商談のあとの記録に追われている 商談録音のAI層
提案資料の作成が遅い 提案資料のAI層

4層をつないで効果を大きくする

営業のAIは、1つの層だけを入れても効果は限られます。生成AI層で作ったリストとメールをSFA層で管理し、商談録音層で記録して、提案資料層で提案する。このように層がつながると、営業の流れ全体が回り始めます。

とはいえ、最初からすべての層を入れる必要はありません。最も時間を取られている層から1つ入れ、効果を見ながら隣の層へ広げるのが現実的です。そのときに困らないよう、最初のツールを選ぶ段階で、APIなどでほかのツールとつなげられるかも確かめておきましょう。

AI営業支援ツール7製品の比較

AI営業支援ツール7製品の比較

ここからは、営業の工程ごとに使われている主な7製品を、各社の公式サイトに載っている情報で紹介します。料金は公式サイトに載っているものだけを書き、載っていない製品は「記載なし(直接お問い合わせください)」としています。料金や機能は改定されることがあるため、契約の前に必ず公式サイトで確かめてください。

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システム構築は成果報酬型。AI研修から導入・構築・定着まで一気通貫で支援

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AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、一気通貫で支援するサービスです。業務アプリの構築費は事前にいただかず、実際に稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。成果報酬型での対応は、当社が小規模と定義するシステムが対象です。

  • 業種・規模を問わず支援どの業務からAIやシステムに置き換えるかを一緒に決め、効果の大きい業務から順に進めます。
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  • AI導入の効果を可視化置き換える業務を一覧にし、導入前後の時間から、空いた時間とかからなくなった費用を毎月記録します。
  • 小さく始めて、リスクを管理影響の小さい業務から始め、AIの実行結果は担当者が確認・承認してから反映します。

Salesforce Sales Cloud(Agentforce)|SFAの中でAIエージェントを動かす

Salesforceが提供するSFA・CRMです。案件と顧客の管理を土台に、上位のエディションではAI機能が多く使えるようになり、セールス向けのAIエージェント「Agentforce」を組み合わせられます。営業の人数が多く、案件の管理から予測までを1つの仕組みでそろえたい企業に向いています。

強み 案件・顧客の管理とAIエージェントを同じ基盤で使える
自動化できる工程 案件管理・次の行動の提案・予実のまとめ
料金 Starter Suite 3,000円/ユーザー/月(月払いまたは年払い)、Pro Suite 12,000円/ユーザー/月(年間契約)ほか。Agentforce for Sales は15,000円〜/ユーザー/月
公式サイト Sales Cloud の料金

HubSpot Sales Hub|無料から始められる営業支援ソフト

HubSpotの営業支援ソフトウェアです。見込み客の発見から取引の管理、見積書の作成まで、営業の流れ全体を扱えるように作られています。AIが優先順位をつけたタスクの一覧や日々の行動の要約を示す機能、会話の文字起こしやメールからCRMの更新を提案する機能があり、AIエージェント「Breeze」の案件創出エージェント(ベータ版)も用意されています。

強み 無料のツールから始めて、必要に応じて有料プランに広げられる
自動化できる工程 アプローチ・案件管理・見積書の作成・フォロー
料金 無料ツール 月額0円。Starter 月額1,200円〜2,400円、Professional 月額12,000円〜、Enterprise 月額18,000円〜(いずれもシート1人分)
公式サイト HubSpot Sales Hub

Mazrica Sales|AIが次の行動を示す営業プラットフォーム

マツリカが提供する営業向けのプラットフォームです。案件と顧客の管理に加え、組織の営業データからAIが次にとるべき行動を示します。誰でも使えることを打ち出しており、SFAの入力が定着しなかった企業が、使いやすさを重視して選ぶ候補になります。

強み 営業データからAIが次の行動を示し、営業のやり方をそろえやすい
自動化できる工程 案件管理・次の行動の提案
料金 記載なし(直接お問い合わせください)
公式サイト Mazrica Sales

Sales Marker|ニーズのある企業を見つけて自動でアプローチ

Sales Markerは、新規開拓のための営業向けのツールです。設定した語をWebで検索している企業を知らせる「セールスシグナル」や、インテントデータ(検索などの行動から読み取る関心の情報)で、今ニーズのありそうな企業を見つけます。顧客の関心に合わせて自動でアプローチするシーケンス機能や、商談の記録と解析の機能も備えています。

強み 関心の高い企業を見つけてから連絡できる
自動化できる工程 リード獲得・アプローチ・商談の記録
料金 記載なし(直接お問い合わせください)
公式サイト Sales Marker

immedio|問い合わせ直後の日程調整と担当の割り振りを自動化

immedioは、AIインサイドセールスのツールです。フォームの送信直後から、商談の日程調整、担当者の割り振り、CRMへの連携までを自動で進めます。資料請求のときに顧客と企業を自動で調べる機能や、資料や動画の閲覧から関心のある点を抜き出す機能もあり、問い合わせから商談までの時間を縮めたい企業に向いています。

強み 問い合わせ直後の対応を自動にして、商談の機会を逃しにくくする
自動化できる工程 アプローチ(インバウンド)・商談の前のリサーチ・日程調整
連携先 Google カレンダー、Microsoft 365、Salesforce、HubSpot、Zoom、Slack など
料金 記載なし(直接お問い合わせください)
公式サイト immedio

MiiTel|電話とWeb会議の会話を解析して議事録にする

MiiTelは、電話・Web会議・対面のビジネスの会話を扱う音声解析AIのサービスです。電話の「MiiTel Phone」、Web会議の「MiiTel Meetings」、対面の会話を録音する「MiiTel RecPod」などがあり、会話の文字起こしから議事録の作成、外部ツールへの反映までを扱います。電話での営業が多い企業や、営業のやり方が人によってばらつく企業に向いています。

強み 電話・Web会議・対面の会話をまとめて記録・解析できる
自動化できる工程 商談の録音・文字起こし・議事録・SFAへの反映
連携先 SFA・CRM など
料金 記載なし(直接お問い合わせください)
公式サイト MiiTel

Microsoft 365 Copilot|いつものOfficeで提案書とメールを下書き

Microsoftが提供する、Microsoft 365のアプリに組み込まれた生成AIです。PowerPointでは資料の初稿づくりを手伝い、Outlookではメールの下書きやスレッドの要約、Teamsでは会議の要約ができます。ふだんからMicrosoft 365を使っている企業なら、新しい画面を覚えずに提案書とメールの作成を速くできます。

強み 使い慣れたOfficeのアプリの中でAIを使える
自動化できる工程 提案書の作成・メールの下書き・会議の要約
料金 4,497円/ユーザー/月(年払い)、4,722円/ユーザー/月(月払い・年間契約)。消費税別。対象のMicrosoft 365のプランが別に必要
公式サイト Microsoft 365 Copilot

7製品の比較表|強み・自動化できる工程・料金

7製品を同じ項目で並べると、次のようになります。1つの製品ですべての工程をまかなうより、自社で一番時間がかかっている工程に強い製品から選ぶのがおすすめです。

製品 型 強み 自動化できる工程 料金
Salesforce Sales Cloud SFA・CRM型 案件管理とAIエージェントを同じ基盤で 案件管理・予測・次の行動 3,000円/ユーザー/月〜
HubSpot Sales Hub SFA・CRM型 無料から始めて広げられる アプローチ・案件管理・見積 無料ツールあり。Starter 月額1,200円〜
Mazrica Sales SFA・CRM型 AIが次の行動を示す 案件管理・次の行動 記載なし(直接お問い合わせください)
Sales Marker 営業メール・インサイドセールス自動化型 関心の高い企業を見つける リード獲得・アプローチ 記載なし(直接お問い合わせください)
immedio 営業メール・インサイドセールス自動化型 問い合わせ直後の対応を自動に 日程調整・担当の割り振り・事前リサーチ 記載なし(直接お問い合わせください)
MiiTel 商談解析・議事録型 電話・Web会議・対面の会話を解析 録音・議事録・SFAへの反映 記載なし(直接お問い合わせください)
Microsoft 365 Copilot 生成AIによる資料作成型 Officeのアプリの中で使える 提案書・メール・会議の要約 4,497円/ユーザー/月(年払い・税別)

効果の試算|自社の数字で削減できる時間を見積もる

効果の試算|自社の数字で削減できる時間を見積もる

AIで営業を自動化するか決めるとき、いちばん知りたいのは「自社でどれだけの効果が出るのか」でしょう。効果は今の営業のやり方や人数で大きく変わるため、他社の数字を当てはめるより、自社の数字で見積もるのが確実です。ここでは、自分で数字を入れて試算する手順を紹介します。

減らせる時間×人件費で効果を見積もる

考え方は、AIで減らせる作業の時間をお金に換算し、ツールや運用の費用と比べるだけです。次の表の「記入例」は計算の流れを示すための仮の数字です。自社の値に置き換えて計算してください。

手順 計算 記入例(仮の数字)
1. 対象の作業を決める セルフチェックで「はい」が多かった工程の作業 商談のあとの議事録とSFAへの入力
2. 今の時間を測る 1回の作業時間 × 月の回数 × 人数 15分 × 月40回 × 5人 = 月50時間
3. 減らせる時間を見込む 今の時間 × 減らせる割合(試験運用で測る) 試験運用で測った値を入れる
4. お金に換算する 減らせる時間 × 1時間あたりの人件費 減らせる時間 × 自社の時間単価
5. 費用と比べる 年間の効果 ÷ 年間の費用(ツール代+設定・運用の費用) 1を超えれば費用を上回る

手順3の「減らせる割合」は、最初は見込みでかまいません。ただし、導入を決める前の試験運用で、実際に減った時間を測って置き換えてください。費用のほうは、たとえばMicrosoft 365 Copilotなら1人あたり月4,497円(年払い・税別)で、5人なら年26万9,820円です。ここに初期設定や社内の研修の手間も加えておきます。

企業の規模ごとに押さえたい試算のポイント

同じ手順でも、営業の人数によって、先に手をつけやすい工程と気をつける点が変わります。

企業の規模 先に手をつけやすい工程 試算で必ず入れる値 気をつける点
小規模(営業〜数名) リスト作成・メールの下書き 代表や兼任の担当が営業に使っている時間 ツールの数を増やしすぎず、1〜2個で回す
中規模(営業10名前後〜) 議事録・SFAへの入力 1人あたりの記録の時間と商談の件数 入力のルールを先にそろえる
大規模(営業数十名〜) 案件管理・予実のまとめ・営業のコツの共有 マネージャーの集計と報告の時間 既存のシステムとの連携とデータの権限

費用の詳しい相場は AI導入の費用相場 もあわせてご覧ください。

効果を大きくする3つの工夫

AIで作業を減らしても、浮いた時間の使い道を決めていなければ、効果は数字に表れにくくなります。減らした時間を商談や提案に回すところまで計画して、はじめて売上の効果につながります。

あわせて、すべての層を一度に入れず段階に分けて投資すること、そして削減した時間・接触の件数・商談化の割合など、何を測るかを始める前に決めておくことが大切です。この3つをそろえると、続けるか、やめるかを数字で判断できるようになります。

導入ステップ|小さく始めて広げる進め方

導入ステップ|小さく始めて広げる進め方

AIによる営業の自動化は、小さく始めて、効果を見ながら広げるのが基本です。いきなりすべての工程を自動化しようとせず、次の7つのステップで進めてください。

01

営業の流れを書き出す

リード獲得から受注までの流れを書き出し、工程ごとにかかっている時間をつかみます。どこに時間が取られているかを見えるようにするのが出発点です。

02

詰まっている工程を見つける

時間がかかっていて、手順が決まっている工程を見つけます。多くの場合、リスト作成・記録の入力・資料作成が候補になります。

03

自動化する業務を1つに絞る

最初は欲張らず、効果が大きく手をつけやすい業務を1つに絞ります。リスト作成か議事録から始めるのが定番です。

04

ツールを選んで小さく試す

その工程に合う層のツールを選び、少人数で試します(PoC)。この段階で、自社の業務に合うかを見極めます。

05

試験運用で効果を測る

減った時間・出来上がりの質・成果を、始める前に決めた指標で測ります。数字で効果を確かめてから次に進みます。

06

本番の運用とチームへの展開

効果が確かめられたら本番の運用に移り、チーム全体に広げます。運用のルールとひな形を整えます。

07

見直しながら次の業務へ広げる

運用しながら精度を高め、次の業務へ広げます。1業務ずつ広げることで、効果が積み上がります。

今の営業プロセスと課題を洗い出す

最初のステップでは、営業担当に1週間ほど、どの作業に何時間使ったかを記録してもらうのが確実です。記憶で答えてもらうと、記録や資料作成の時間は少なめに見積もられがちです。

あわせて、「どこで案件が止まりやすいか」「どの作業が嫌がられているか」も聞いておきます。時間の数字と現場の声の両方がそろうと、自動化の優先順位を決めやすくなります。

自動化する工程に優先順位をつける

候補の工程が複数あるときは、「減らせる時間の大きさ」「始めやすさ」「失敗したときの影響の小ささ」の3つで比べます。社内の記録や下書きのように、相手に直接届かない作業は、失敗しても影響が小さく、最初の候補にしやすい工程です。

最初の1つは「効果が見えやすく、失敗しても取り返せる工程」から選ぶと、社内の理解も得やすくなります。メールの自動送信のように相手に直接届く作業は、社内の作業で手応えをつかんでから広げても遅くありません。

小さく試すときに必ず確かめること

本番の導入の前の試験運用(PoC)では、次の4つを必ず確かめます。ここを飛ばして全社に入れると、現場が使わない、精度が業務に耐えない、といった事態になりがちです。試す期間は工程ごとに先に区切り、続けるかどうかを判断する基準も始める前に決めておきましょう。

観点 確かめること
精度 AIの出来上がりが実務で使える質か
時間 本当に作業の時間が減っているか(測って確かめる)
現場の受け入れ 営業担当が抵抗なく使えているか
連携 今のSFA・CRMと問題なくつながるか

社内に定着させる運用のルール

ツールを入れても、使い方が人によって違えば効果はばらつきます。本番の運用に移るときは、「何をAIに任せ、何を人が確かめるか」「どの情報を入力してよいか」「出来上がりを誰が承認するか」を短い文書にまとめておきましょう。

よく使う指示文(プロンプト)や議事録のひな形をチームで共有し、うまくいった使い方を月に一度集めて更新していくと、使う人が増えるほど精度が上がっていきます。最初に使いこなした担当を相談役にすると、ほかのメンバーも使い始めやすくなります。

導入で失敗しないための注意点

導入で失敗しないための注意点

AIによる営業の自動化は、進め方を誤ると効果が出る前に止まってしまいます。よくある失敗の形と、その避け方を5つにまとめました。

1
ツールありきで始める:話題のツールを入れること自体が目的になり、課題とかみ合わない。避けるには、詰まっている工程を先に見つけること。
2
すべてを一気に自動化しようとする:設計が追いつかずに破綻する。避けるには、1業務に絞った試験運用から始め、効果を見て広げること。
3
人の確認を外す:AIが作ったメールや情報を確かめずに送り、誤送信や誤った情報の事故につながる。避けるには、「AIが下書きし、人が最後に確かめる」工程を残すこと。
4
効果を測らない:「なんとなく便利」で終わり、続けるべきか判断できない。避けるには、始める前に測る指標(減った時間・接触の件数・商談化の割合)を決めること。
5
現場を巻き込まない:上から導入を決めても、営業の現場が使わず定着しない。避けるには、現場の悩みから逆算し、使う人と一緒に設計すること。

データが整わないまま始めてしまう

AIは、もとになるデータの質以上の答えを出せません。顧客の情報がExcelや担当のメールに散らばっていたり、案件の段階の書き方が人ごとに違ったりすると、スコアリングや予測はうまく働きません。

始める前に、使うデータがどこにあり、どんな形で、どれくらい埋まっているかを確かめましょう。すべてを整えてから始める必要はありませんが、最初に自動化する工程で使うデータだけは、項目と書き方をそろえておくことが大切です。

ツールを入れただけで運用が回らない

契約して初期設定を終えたところで手が止まり、数か月後には誰も使っていない。営業のAIでよく見かける形です。原因の多くは、運用の担当が決まっていないこと、使い方を覚える時間が取られていないことにあります。

導入のときに、運用の責任者を1人決め、週に一度は使い方の困りごとを集める場を設けましょう。社内に詳しい人がいない場合は、設定だけでなく定着まで伴走してくれる支援先を選ぶのも1つの方法です。

AIの出来上がりを確かめずに使ってしまう

AIは、もっともらしい文章の中に、誤った数字や存在しない事実を混ぜることがあります。顧客の社名や担当者名の誤り、価格の誤りは、信頼を一度で失いかねません。

相手に届くメールや提案書、見積書は、送る前に人が確かめる工程を必ず残しましょう。どこまで確かめるかの目安(固有名詞・数字・約束ごと)を決めておくと、確認の手間も大きくなりすぎません。

失敗を防ぐ導入前のチェック表

ここまでの失敗の形を踏まえ、始める前に確かめたい項目を表にまとめました。すべてに「はい」と答えられるかを確かめてから始めると、多くの失敗を前もって防げます。

確かめる項目 確かめる中身
課題 解決したい課題(詰まっている工程)がはっきりしているか
対象 最初に手をつける業務を1つに絞れているか
確認の工程 AIの出来上がりを人が確かめる工程を残しているか
指標 効果を測る指標を決めているか
現場 営業の現場の担当を巻き込めているか
法令 録音の同意・個人情報・特定電子メール法に配慮できているか
個人情報・録音・営業メールの決まり

営業の自動化を進めるときは、個人情報・商談の録音・営業メールに関する決まりへの配慮が欠かせません。効率を急ぐあまり、法令の面での危うさを見落とさないようにしましょう。

最低限、次の4つは確かめてください。個別の判断は、自社の法務の担当や顧問の専門家に相談することをおすすめします。

論点 確かめること
商談の録音 録音することを相手に伝え、了承を得てから録音する
個人情報の扱い リストや商談のデータを個人情報保護法に沿って扱う。使うAIが入力したデータを学習に使わないかを確かめる
営業メール 特定電子メール法に沿い、同意のない広告宣伝メールの送信や、配信停止の求めへの対応に注意する
AIが作った内容 AIが作った文面や情報に誤りがないか、送る前に人が確かめる

効率と法令の順守は両立できます。決まりを最初から運用のルールに組み込んでおけば、安心して自動化を広げられます。

個人情報保護委員会は2023年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表しています。その中で、事業者が個人情報を含む指示文(プロンプト)を入力する場合は、利用目的を達成するために必要な範囲内かを十分に確かめること、本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は個人情報保護法に違反するおそれがあるため、AIの提供事業者がそのデータを機械学習に使わないことなどを十分に確かめること、が示されています(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。

顧客の情報を扱う営業のAIは、入力したデータが学習に使われない設定や契約になっているかを、使い始める前に確かめることが大切です。法人向けのプランかどうか、データの保存場所や保存期間も、あわせて確かめておきましょう。

広告や宣伝のためのメールには、特定電子メール法の決まりがあります。総務省・消費者庁などがまとめた資料によると、原則として、あらかじめ同意した相手にだけ広告宣伝メールを送れる「オプトイン方式」がとられています。取引のある相手や、名刺などの書面でメールアドレスを知らせてきた相手、メールアドレスをインターネットで公表している相手(送信をしないよう求める旨をあわせて公表している場合を除く)など、同意がなくても送れる例外もあります(出典:総務省・消費者庁「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」)。

決まり 主な中身
同意の取得 原則として、あらかじめ同意した相手にだけ送れる
同意の記録 同意を得たときの状況(時期と方法など)を示す記録を保存する
表示 送信者などの氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL、送信者などの住所、苦情や問い合わせを受け付ける連絡先を表示する
受信拒否 受信を拒否した相手には送らない

AIでメールを自動で送る場合も、これらの決まりはそのまま当てはまります。送信先のリストに同意の状況や例外に当たる理由を記録しておき、配信停止の求めがあればすぐにリストから外せる仕組みを整えておきましょう。最新の内容は 総務省「迷惑メール対策」 で確かめてください。

自社に合う進め方を決める相談先の選び方

自社に合う進め方を決める相談先の選び方

どの工程から、どのツールで始めるかを自社だけで決めきれないときは、外部に相談するのも1つの方法です。相談先は大きく2つの型に分かれ、向いている企業が違います。

ツール導入型と個別構築型の違い

比べる点 ツール導入型 個別構築型
やること 既製のツールを選び、設定して使い始める 自社の営業の流れに合わせて、ツールをつないだ仕組みを作る
向いている企業 自動化したい工程が1つで、既製のツールで足りる 複数の工程をつなぎたい。既製のツールでは手順が合わない
主な相談先 ツールの提供会社・販売代理店 AI導入支援の会社・開発会社
注意したい点 ツールに業務を合わせる必要がある 作る範囲と、稼働後の保守の形を先に決める

まず既製のツールで足りるかを試し、足りない部分だけを個別に作る、という順番で考えると、費用も時間も抑えやすくなります。AI導入の支援会社の比べ方は AI導入支援の選定基準と会社の選び方 で詳しく紹介しています。

当社AIBUILDERZの支援の形

当社AIBUILDERZは、AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、企業のAI導入を一気通貫で支援しています。システム構築は成果報酬型で、業務アプリの構築費は事前にはいただきません。実際に稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります(成果報酬型での対応は、当社が小規模と定義するシステムが対象です)。必要なツールの選定や導入方法は当社からご提案します。社員の方がAIを使いこなすための研修はオプションで、内容に応じてお見積りします。

影響の小さい業務から始め、効果を確かめながら部門から全社へ広げる進め方を基本にしています。60分の無料診断では、現在の業務と課題をうかがい、どの業務をAIと業務アプリに任せられるか、どれだけの時間が空くかを試算します。アポイントの獲得そのものを任せたい場合は、完全成果報酬型のAI Sales Agentもご検討ください。

相談先に確かめたい質問リスト

相談先を比べるときは、同じ質問を各社に投げて、答えを並べてみるのがおすすめです。そのまま使える質問を表にまとめました。

確かめたいこと そのまま使える質問
進め方 最初にどの工程から始めることを勧めますか。その理由は何ですか
試験運用 本番の前に小さく試せますか。期間と、続けるかを判断する基準はどう決めますか
範囲 見積もりに含まれる作業はどこまでですか。設定・連携・研修・保守は入っていますか
費用 初期の費用、毎月の費用、ツールの利用料は、それぞれ誰にいくら払いますか
データ 顧客の情報はどこに保存され、AIの学習に使われませんか
定着 導入したあと、使い方の定着までどのように支援してもらえますか
やめるとき 契約を終えるとき、作った仕組みやデータは引き継げますか

相談の前に整理しておくこと

相談の前に、次の3つをまとめておくと、話が早く進み、提案の中身も具体的になります。

整理すること 中身の例
営業の流れと人数 リード獲得から受注までの流れ、営業担当の人数、月の商談の件数
時間がかかっている作業 セルフチェックで「はい」が多かった工程と、週あたりの時間
今使っているツール SFA・CRM・メール・カレンダー・Web会議・表計算など

AI営業支援の自動化に関するよくある質問

AI営業支援の自動化に関するよくある質問
Q. 中小企業でもAIで営業を自動化できますか?
できます。営業の人数が限られる企業ほど、リスト作成や記録の時間を減らす効果を感じやすい取り組みです。中小機構の調査では、業務分野別のAI導入率で、営業・販売・サービス部門が60.3%でした。まずは生成AIやSFAのAI機能で、1つの業務から始めるのがおすすめです。
Q. 何から自動化するのがおすすめですか?
時間がかかっていて、手順が決まっている業務からです。多くの場合、リスト作成・議事録・SFAへの入力が最初の候補になります。「自動化できる営業プロセスの全体マップ」の章のセルフチェックで、自社の候補を確かめてください。
Q. 営業担当の仕事はAIに置き換えられてしまいますか?
いいえ。自動化されるのは商談の前後の作業で、ヒアリング・交渉・関係づくりは人の仕事として残ります。むしろ営業担当が、人にしかできない仕事に時間を使えるようになります。
Q. AIが作ったメールの質は大丈夫ですか?
「AIが下書きし、人が最後に確かめる」流れにすれば、質は保てます。相手の会社に合わせて文面を書き分けることもでき、ひな形と確認の目安を決めておくと、担当ごとの出来の差も小さくなります。
Q. どのくらいの期間で効果が出ますか?
リスト作成や議事録のような定型の業務は、試験運用の期間のうちに、作業の時間がどれだけ減ったかを測れます。受注の割合のような営業の成果への影響は、自社の商談の期間(初回の接触から受注までの長さ)によって変わるため、それに合わせて長めに見ておきましょう。
Q. 今使っているSFA・CRMと連携できますか?
多くの製品は、APIやあらかじめ用意された連携の機能でつなげられます。たとえばimmedioは公式サイトで、Salesforce・HubSpot・Google カレンダー・Microsoft 365などとの連携を示しています。連携できるかは、試験運用の前に要件として確かめておきましょう。
Q. ツールを入れるのと、開発の支援を頼むのとでは、どちらを選ぶべきですか?
自動化したい工程が1つで、既製のツールで手順が合うなら、ツールを入れるほうが早く安く始められます。複数の工程をつなぎたい、既製のツールでは自社の手順に合わない、という場合は、個別に仕組みを作る支援を検討します。まずツールで試し、足りない部分だけを作る順番がおすすめです。
Q. 成果報酬で営業を任せることはできますか?
できます。当社のAI Sales Agentは、完全成果報酬型のAIアポイント獲得サービスです。費用は商材・対象の業界・難易度によって変わるため、個別にご相談ください。
Q. 社内にAIに詳しい人がいなくても大丈夫ですか?
問題ありません。ツールの選定から運用のルールづくりまで、支援を受けながら進められます。詳しい人がいない段階では、設定だけでなく定着まで伴走してくれる相談先を選ぶと安心です。
Q. AI営業支援ツールの費用はどれくらいかかりますか?
生成AIやSFAの入門向けのプランなら、1人あたり月数千円から始められます。たとえばMicrosoft 365 Copilotは1人あたり月4,497円(年払い・税別)、Salesforce Sales CloudのStarter Suiteは1人あたり月3,000円です。料金を公開していない製品も多いため、「効果の試算」の章の手順で減らせる時間と比べながら、見積もりを取って判断してください。
Q. AIで営業を自動化しても効果が出ないのはなぜですか?
多くは「ツールありきで始めた」「すべてを一気に自動化しようとした」「効果を測っていない」のどれかです。「導入で失敗しないための注意点」の章を参考に、詰まっている工程の特定、1業務に絞った試験運用、効果の測定の順で進めてください。
Q. 個人向け(BtoC)の営業でもAIの自動化は使えますか?
使えます。問い合わせへの対応、メールやLINEでの追客、顧客データの分析など、自動化できる作業は多くあります。ただし、個人の顧客の情報を扱うため、個人情報の扱いにはとくに注意が必要です(「個人情報・録音・営業メールの決まり」の章を参照してください)。

まとめ

まとめ

AI営業支援の自動化は、営業をAIに置き換えることではなく、商談の前後の作業をAIに、商談と関係づくりを人に、と分け直す取り組みです。人を増やしにくい今、営業の力を高める現実的な手段になります。最後に、本記事のポイントを振り返ります。

01
営業のAIは「生成AI・SFAとCRM・商談録音・提案資料」の4層で考えると選びやすい
02
リスト作成・アプローチ・記録・提案・案件管理の作業はAIに、商談と交渉は人が担う
03
セルフチェックで自動化の余地が大きい工程を見つけ、その工程に強いツールから選ぶ
04
効果は「減らせる時間×人件費」を自社の数字で試算し、浮いた時間の使い道まで決める
05
1業務に絞った試験運用から始め、効果を測ってから広げる
06
「AIが下書きし、人が最後に確かめる」形を残し、録音の同意・個人情報・特定電子メール法に配慮する

営業を含む業務をまとめて外部に任せる方法は AI外注とは|費用相場・任せられる業務・外注先の選び方 を、アポイントの獲得を成果報酬で任せる方法は AI Sales Agent をあわせてご覧ください。