AIの活用を専門家に相談したいけれど、AIコンサルの費用が自社の予算に見合うのかがわからない。月数万円の顧問サービスもあれば、数千万円のプロジェクトもあり、中小企業の規模でどこまで頼めばよいのか見当がつかない。そんな悩みを持つ企業は少なくありません。中小機構の調査では、AIやITの導入について「適切なベンダーや製品を選定する情報が十分にある」に当てはまらないと答えた中小企業が79.8%にのぼり、導入を進めるために必要な公的支援として「専門家の派遣や導入相談」を挙げた企業も59.8%ありました(出典:中小機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』2026年3月)。

そこで本記事では、中小企業がAIコンサルに頼むときの費用相場を、支援内容・料金体系・工程・依頼先のタイプの4つの切り口で整理します。あわせて、自社の条件で予算の上限を出す試算の手順、公式サイトで確かめられる各社の料金、月額に含まれるものと別料金になるもの、見積書の読み解き方と比べ方、費用を抑える方法、補助金・助成金の制度まで、依頼する前に知っておきたいことをまとめました。

この記事でわかること

  • 中小企業向けの費用相場がわかる
  • 自社の予算の上限を試算できる
  • 見積書の読み方と比べ方がわかる
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この記事の監修者

AIBUILDERZ編集部

for,Freelance株式会社

AI導入支援サービス「AIBUILDERZ」を運営するチームです。AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、企業のAI導入を一気通貫で支援しています。

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AIコンサルティングの費用相場の全体像

AIコンサルティングの費用相場の全体像

AIコンサルティングの費用は、「相談に乗ってもらうだけか」「計画づくりまで頼むか」「開発や定着まで任せるか」で、けた違いに変わります。まずは、依頼できる内容と、支援内容ごとの費用相場で全体像をつかんでおきましょう。

AIコンサルティングとは|依頼できる支援内容

AIコンサルティングとは、AIをどの業務にどう使うかを整理し、導入の計画づくりから、ツールの選定、効果の検証、社内への定着までを外部の専門家が支援するサービスです。依頼できる内容は、主に次の6つに分けられます。

支援内容 主な作業
相談・助言 定例の打ち合わせやチャットで、AI活用の進め方や技術の疑問に答える
戦略・計画づくり 業務を洗い出し、AIを使う業務の優先順位と導入のロードマップを決める
ツールの選定 ChatGPTやCopilotなど、業務に合うAIツールを選び、初期設定を助ける
PoC(試験導入) 小さく作って、実際の業務で使えるか、効果が出るかを確かめる
開発・実装 社内のデータを読み込むAIや、業務システムと連携する仕組みを作る
研修・定着 社員向けの研修、社内の利用ルールづくり、使われ続けるための運用の見直し

どこまでを頼むかによって、必要な人の数と時間が変わり、費用も大きく変わります。まずは、どこまでを外部に頼みたいのかを決めることが、費用を見通すいちばんの近道です。

支援内容別の費用相場の早見表

支援内容ごとの費用の目安は次のとおりです。

支援内容 費用の目安 期間の目安
スポット相談 1回数万円程度 1回(1〜2時間)
AI顧問(月額の相談) 月5万〜50万円程度 3か月以上の継続が多い
戦略策定・ロードマップ 40万〜200万円程度 1〜3か月
実現性の調査 40万〜100万円程度 1〜2か月
PoC(試験導入) 100万〜500万円程度 2〜4か月
伴走型の支援
戦略から実装・定着まで
月50万円〜数百万円程度 6か月以上
本格的な開発・実装 数百万〜数千万円 3か月〜1年以上

金額は一般的な目安です。依頼する範囲や会社の規模、業務の条件によって変わります。中小企業に多い予算の組み方は中小企業のAIコンサル費用で、公式サイトに載っている各社の料金はAIコンサル・AI顧問8選で紹介します。

AI導入費用・AI開発費用との違い

AIコンサルティングの費用は、専門家の知識と時間に払うお金です。AIツールの利用料、システムの開発費、クラウドの利用料などは、コンサルへの支払いとは別にかかることが多くあります。見積もりを比べるときは、コンサルへの支払いだけなのか、ツールや開発まで含めた金額なのかを、まず確かめましょう。

ツールの利用料や開発費まで含めた、AI導入にかかる費用の全体は AI導入の費用相場 で詳しくまとめています。

AIコンサルに費用をかけるメリット

社内にAIに詳しい人がいない場合、ツール選びや進め方の判断に時間がかかり、効果の出ない使い方に費用をかけてしまうことがあります。外部の専門家に頼むと、ほかの企業での進め方を踏まえて、効果の出やすい業務から始められます。

また、社内の利用ルールや研修まで支援を受ければ、特定の社員だけでなく、会社として使い続けられる形を早く作れます。一方で、頼んだ作業が社内に残らなければ、契約が終わったあとに止まってしまいます。費用をかける価値があるかは、費用対効果の考え方で確かめましょう。

金額の幅が大きい理由

同じ「AIコンサル」でも費用に数十倍の差が出るのは、関わる人の数と時間がまったく違うためです。月1回の相談に1人が答えるサービスと、コンサルタントとエンジニアが週に何十時間も関わるサービスでは、同じ「月額」でも中身が別物です。

そのため、相場の数字はあくまで入り口の目安です。自社の場合にいくらかかるかは、このあと紹介する料金体系と費用が変わる要因で条件を整理してから、見積もりで確かめるのが確実です。

AIコンサルティングの料金体系|4つの契約の形

AIコンサルティングの料金体系|4つの契約の形

AIコンサルティングの料金は、払い方によって大きく4つに分けられます。同じ依頼でも、契約の形が違うと総額や進め方が変わるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。

料金体系 支払い方 費用の目安 向いている依頼
月額顧問型 毎月決まった金額 月5万〜50万円程度 相談しながら少しずつ進めたい
プロジェクト型 作業と成果物を決めて一括 数十万〜数千万円 計画づくりやPoCを期間を区切って進めたい
スポット相談・時間単価型 1回ごと・使った時間ごと 1回数万円程度 契約の前に論点を整理したい
成果報酬型 初期費用+成果に応じた報酬 案件ごとに決める 効果を金額で測りやすい業務

月額顧問型|毎月決まった金額で相談する

月額顧問型は、毎月決まった金額で、定例の打ち合わせやチャットで相談できる形です。「AI顧問」と呼ばれるサービスの多くがこの形で、費用は月5万〜50万円程度が目安です。社内に手を動かせる担当者がいて、判断に迷ったときに相談したい企業に向いています。

同じ月額でも、打ち合わせの回数と時間、チャットで相談できる範囲、実装の作業が含まれるかどうかで、中身は大きく違います。月額がいくらかではなく、その金額で何時間、どこまでの作業をしてもらえるのかで比べることが大切です。数か月の最低契約期間を設けているサービスもあるため、解約の条件もあわせて確かめましょう。

プロジェクト型|作業と成果物を決めて一括で払う

プロジェクト型は、業務の診断、ロードマップの作成、PoC、特定の仕組みの構築など、期間と成果物を決めて契約する形です。範囲がはっきりしているので、ほかの会社と比べやすいのが利点です。

費用は、戦略づくりだけなら数十万〜200万円程度、PoCまで含めると数百万円、本格的な開発まで含めると数千万円になることもあります。途中で作業を増やすと追加の見積もりになるため、対象外の作業と、仕様が変わったときの扱いを契約の前に決めておきましょう。

スポット相談・時間単価型|必要なときだけ頼む

スポット相談は、1回ごとに支払って相談する形です。1回数万円程度が目安で、継続の契約を結ぶ前に、相性や提案の質を確かめる使い方に向いています。担当者の稼働時間に応じて払う時間単価型もあり、課題が変わりやすい案件では柔軟に使えます。

ただし、時間単価型は、何に時間を使うかを決めておかないと、重要でない相談で時間を使い切ってしまうことがあります。月ごとの作業の計画と、実際に使った時間の報告をもらうようにしましょう。

成果報酬型|成果に応じて払う

成果報酬型は、AIの導入で減ったコストや増えた売上の一部を、報酬として払う形です。レベニューシェアとも呼ばれます。初期費用を抑えられる一方で、成果をどう測るかを先に決めておく必要があります。

削減できた時間や売上は、AI以外の理由でも変わります。比べる前の数字を誰がどう測るのか、成果が出なかったときの扱い、報酬の上限を、契約書で決めておきましょう。

AI顧問・AI開発会社・AI研修との違い

AIの外部支援には、コンサル以外にも似たサービスがあります。何にお金を払うのかが違うため、自社に足りないものに合わせて選びましょう。

サービス 何にお金を払うか 向いている会社
AIコンサルティング 計画づくりから定着までの、専門家の判断と作業 何から始めるか、どう進めるかを決めたい
AI顧問 毎月の相談と助言 社内に手を動かす人がいて、相談相手がほしい
AI開発会社 作るシステムそのもの 作りたいものが決まっている
AI研修 学ぶ人数と回数 社員全体の使い方の水準を上げたい

社員向けの研修を中心に考えている場合は、法人向けのAI研修もあわせて検討するとよいでしょう。

自社に合う料金体系の選び方

どの料金体系が合うかは、課題がどこまで決まっているかと、社内に手を動かす人がいるかで決まります。

自社の状況 合いやすい料金体系
何から始めればよいかわからない スポット相談、または短期の診断(プロジェクト型)
AIを使う業務が決まっている PoCまでのプロジェクト型
社内に手を動かす担当者がいる 月額顧問型
社内に担当者がいない 実装や定着まで含む伴走型(月額またはプロジェクト型)

【工程別】AIコンサルティングの費用相場

【工程別】AIコンサルティングの費用相場

計画づくりから開発まで順に進める場合、費用は工程ごとに積み上がります。工程ごとの目安は次のとおりです。

工程 費用の目安 期間の目安 手元に残るもの
初期のコンサルティング 40万〜200万円程度 1〜2か月 課題の整理、AI活用の方針
実現性の調査 40万〜100万円程度 1〜2か月 技術とデータの検証の結果
PoC(試作) 100万〜500万円程度 2〜4か月 試作品と効果の検証の結果
開発・実装 数百万〜数千万円 3か月〜1年以上 本番で使うシステム
運用・定着の支援 月数万〜数十万円程度 継続 改善の記録、社内のルールと手順

初期のコンサルティング・戦略策定

現場への聞き取りで業務の流れやデータ、使っているシステムを整理し、AIを使う業務の候補と優先順位、導入の方針を決める工程です。費用は40万〜200万円程度、期間は1〜2か月が目安です。大手のコンサルティングファームに頼むと、この工程だけでも高額になる傾向があります。

実現性の調査

候補の業務について、技術的にできるか、使えるデータが足りているか、かけた分に見合う効果が見込めるかを確かめる工程です。フィジビリティスタディとも呼ばれ、費用は40万〜100万円程度が目安です。ここで見込みの薄い案を見極められれば、あとの工程の無駄な出費を防げます。

PoC(試作と効果の検証)

実際のデータを使って小さく作り、業務で使えるかを確かめる工程です。費用は100万〜500万円程度、期間は2〜4か月が目安です。既存の生成AIやノーコードのツールを使えば、安く試せることもあります。

PoCは、検証をくり返すだけで本番に進めない「PoC止まり」になりやすい工程です。PoCを始める前に、本番に進むかどうかを決める数字と期限を決めておきましょう。

開発・実装

PoCで確かめた内容をもとに、本番で使うシステムを作る工程です。社内の業務システムとの連携やテスト、利用者の権限の管理まで含めると、費用は数百万〜数千万円になります。この工程をコンサル会社がそのまま担うのか、別の開発会社に頼むのかで、見積もりの形も変わります。

運用・定着の支援

稼働したあとに、使われているかを確かめ、精度や手順を見直し、社内に定着させる工程です。月額の顧問や保守の契約で続けることが多く、費用は月数万〜数十万円程度が目安です。作ったものが使われなければ、それまでの投資はすべて無駄になるため、最初の予算の段階から見込んでおきましょう。

【依頼先のタイプ別】AIコンサルティングの費用の目安

【依頼先のタイプ別】AIコンサルティングの費用の目安

AIコンサルティングを行う会社は、成り立ちによって得意なことと費用の水準が違います。タイプごとの傾向は次のとおりです。

タイプ 得意なこと 費用の傾向
大手コンサルティングファーム 全社の戦略、大規模な変革、リスクの管理 高い(プロジェクトで数千万円以上になることも)
IT企業・SIer 基幹システムとの連携、大規模な開発と運用 高い〜中程度(開発の規模しだい)
AI専業の開発会社 PoC、独自のAIの開発、データの分析 中程度(案件ごとの見積もり)
生成AIの活用支援・研修の会社 ツールの選定、社内ルール、研修、定着 比較的低い〜中程度(月額の目安を公開していることが多い)
個人のコンサルタント・顧問 経営者の相談相手、小さな業務改善 低い(月数万円から)

大手コンサルティングファーム

全社の戦略づくりや、業務のあり方そのものの見直しから関わるタイプです。監査や法務の専門家と組んだリスクの管理にも強みがあります。一方で、関わる人数が多く期間も長いため、費用は高くなりがちで、中小企業の小さな依頼には合わないこともあります。

IT企業・SIer

基幹システムとの連携や、全社で使う大きなシステムの開発と運用を得意とするタイプです。コンサルから開発、保守まで1社で任せられる反面、開発の規模が大きくなるほど費用も上がります。

AI専業の開発会社

AIの技術者が多く在籍し、PoCや独自のAIの開発、データの分析を得意とするタイプです。技術的に難しい課題に強い一方で、業務の整理や社内への定着は、自社で進める前提のこともあります。支援の範囲を最初に確かめましょう。

生成AIの活用支援・研修の会社

ChatGPTなどの生成AIを業務で使いこなすための、ツールの選定、社内のルールづくり、研修、定着の支援を得意とするタイプです。月額の目安を公開しているサービスが多く、中小企業でも始めやすいのが特徴です。システムの開発は別料金になることが多いため、実装まで頼みたい場合は範囲を確かめましょう。

個人のコンサルタント・顧問

個人で活動する専門家に、経営者の相談相手として関わってもらう形です。月数万円から頼めることもあり、費用はもっとも抑えやすくなります。ただし、担当者1人の知識と時間に頼るため、対応できる範囲や、担当者が動けなくなったときの体制を確かめておきましょう。

会社の規模別の予算の考え方

予算の立て方は、会社の規模によっても変わります。小規模な会社なら、月数万円の顧問やスポット相談と既存のAIツールの組み合わせから始めるのが現実的です。中小企業では、月10万〜50万円程度の顧問か、数百万円までのPoCで1つの業務から始める形が多くなります。複数の部門に広げる大企業では、戦略づくりから開発までで数千万円以上の予算を組むことも珍しくありません。

中小企業が予算の上限を出す手順は、次の章の試算の手順で紹介します。会社ごとの支援内容をくわしく比べたい場合は、AIコンサル・AI導入支援会社のおすすめ比較をご覧ください。

中小企業のAIコンサル費用|予算の目安と試算の手順

中小企業のAIコンサル費用|予算の目安と試算の手順

中小企業がAIコンサルに頼むときは、戦略づくりから開発までを一度に頼むより、1つの業務に絞り、月額の顧問や短期の診断から始めるほうが進めやすくなります。ここでは、中小企業のAI導入の現状と、予算ごとの頼み方、自社の条件で予算の上限を出す手順をまとめます。

中小企業のAI導入の現状と、相談先が求められる理由

中小機構が全国の中小企業10,000社を対象に行った調査(AIの導入状況の回答は1,647社)では、AIを「全社的に導入している」「一部の業務で導入している」企業は合わせて20.4%でした。導入を検討している企業(18.6%)を含めると、39.0%がAIの導入に前向きです(出典:中小機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』2026年3月)。

一方で、同じ調査では、「成功事例や活用事例などの情報」が足りないとした企業が83.3%、「適切なベンダーや製品を選定する情報」が足りないとした企業が79.8%にのぼります。AIを使いたい気持ちはあっても、どこに、いくらで、どこまで頼めばよいかを判断する材料が足りていないのが、多くの中小企業の実情です。

予算ごとの現実的な頼み方

予算の大きさごとに、頼める範囲と手元に残るものの目安をまとめました。

予算の目安 現実的な頼み方 手元に残るもの
1回数万円程度 スポット相談で、AIを使う業務の候補と進め方を整理する 相談の記録、次に取り組む業務の候補
月5万〜10万円程度 チャット中心の顧問で、社内の担当者が手を動かしながら相談する ツールの使い方、社内の利用ルールのたたき台
月10万〜30万円程度 定例の打ち合わせ付きの顧問で、1つの業務にツールを入れて定着させる 設定済みのツール、業務の手順書、効果の記録
月30万〜50万円程度 実装や研修まで含む伴走型で、複数の業務を順に進める 動く仕組み、社員向けの研修、改善の記録
数十万〜数百万円 短期の診断やPoCをプロジェクト型で頼む ロードマップ、試作品と検証の結果

金額は一般的な目安です。中小企業では、先に月額の上限を決め、その金額で頼める範囲から始めるのが無理のない進め方です。

自社の条件で予算の上限を出す試算の手順

相場の数字だけでは、自社にとって高いか安いかは判断できません。AIに任せたい業務の時間から、かけてよい金額の上限を逆算してみましょう。

手順 計算 例
1. 今の手間を出す 1回の作業時間 × 月の回数 × 人数 1日20分 × 月20日 × 6人 = 月40時間
2. 減らせる時間を見込む 今の手間 × 減らせる割合 月40時間 × 半分 = 月20時間
3. お金に直す 減らせる時間 × 1時間あたりの人件費 20時間 × 3,000円 = 月6万円
4. 月額の上限を決める お金に直した額 − ツールの利用料 6万円 − 1万円 = 月5万円
5. 最低限の支払額を出す 月額の上限 × 最低契約期間 5万円 × 6か月 = 30万円

例の金額は、計算の流れを示すための仮の数字です。この例では、1つの業務だけなら月5万円程度のチャット中心の顧問か、スポット相談が見合います。同じくらいの業務を3つまとめて任せられれば、上限は月15万円程度まで広がり、打ち合わせ付きの顧問や伴走型も選びやすくなります。

社内の担当者が打ち合わせや準備に使う時間も、実際にはかかっている費用です。見込みが立ったら、元を取るのに必要な削減時間の出し方で、選んだ料金体系と照らし合わせてみてください。

AIコンサルに頼まなくてもよい場合

状況によっては、有料のAIコンサルより先に検討したい方法があります。

自社の状況 先に検討したい方法
社員が既存のAIツールの使い方を覚えたいだけ 社員向けの研修や、ツールの提供元が公開している資料
何から始めるかを、まず無料で整理したい よろず支援拠点などの公的な相談窓口
作りたいものと仕様が決まっている 開発会社に直接、見積もりを頼む
社内にAIに詳しく、時間を割ける担当者がいる 判断に迷ったときだけのスポット相談

反対に、社内に担当者がいない、どの業務から始めるべきか決めきれない、ツールを入れても使われずに終わった経験がある、といった場合は、外部の専門家に計画づくりや定着まで頼む価値が高くなります。公的な窓口の使い方は公的な無料の相談窓口を使うで紹介します。

AIコンサルティングの費用の内訳と別料金

AIコンサルティングの費用の内訳と別料金

AIコンサルの見積もりは、合計の金額だけを見ても妥当かどうかは判断できません。何にいくらかかっているのか、何が含まれていないのかを分けて見ていきましょう。

月額を左右する4つの要素

月額顧問型の金額の差は、主に次の4つで生まれます。

要素 金額が上がるとき
打ち合わせの回数と時間 月1回から、月2回・週1回と増える。1回の時間が長い
チャットで相談できる範囲 回答の速さの約束がある。資料の確認や指示文(プロンプト)の作成まで頼める
実装の作業 助言だけでなく、ツールの設定や開発の作業まで含む
担当者の体制 専任の担当者が付く。コンサルタントとエンジニアの複数人で関わる

基本料金に含まれやすいもの・別料金になりやすいもの

どこまでが月額に入るかは会社や契約によって違いますが、一般的には次のように分かれることが多くなります。

項目 含まれやすいもの 別料金になりやすいもの
打ち合わせ 月数回のオンラインの定例 長時間のワークショップ、現地への訪問と交通費
相談 チャットでの質問への回答 調査のレポート、資料の作成
計画づくり 課題の聞き取り、優先順位づけ 全社の業務の洗い出し、大規模な業務の分析
PoC 検証の設計、結果の確認 試作品の開発、外部のツールの費用
研修 短い説明、資料の確認 研修の実施、教材の作成
開発 技術の判断、要件の整理 システムの開発、保守と運用

相談は何度でもできても、設定や開発の作業は別料金というサービスは少なくありません。「実装の作業は含まれるのか」を、契約の前に必ず確かめましょう。

コンサルの料金以外にかかる費用

AIコンサルへの支払いのほかにも、次のような費用がかかります。見積書に載っていないことが多いため、予算に入れ忘れないようにしましょう。

費用 内容
AIツールの利用料 ChatGPTやCopilotなど、1人あたりの月額料金
APIやクラウドの利用料 AIを呼び出した量や、システムを動かす環境に応じた利用料
開発の費用 コンサルの範囲の外で、別の会社に開発を頼む場合の費用
社内の担当者の工数 打ち合わせへの参加、データの準備、テスト、現場との調整にかかる時間

主なAIツールの公式の価格や、開発まで含めた費用の目安は AI導入の費用相場 で紹介しています。

AIコンサルティングの費用が変わる要因

AIコンサルティングの費用が変わる要因

相場に大きな幅があるのは、依頼ごとに条件が違うためです。何が費用を上げるのかを知っておくと、見積もりの金額の理由を読み解きやすくなります。

費用を左右する6つの要因

要因 費用が上がるとき
支援の範囲 助言だけでなく、設計・実装・研修・運用まで頼む
担当者の人数と時間 コンサルタント・エンジニア・データの担当など、関わる人と時間が多い
データの整い方 文書が複数の場所に散らばっている、紙や画像しかない
つなぐシステムの数 顧客管理・会計・在庫など、連携する先が多い
求める品質と責任 AIの回答をそのままお客様に送るなど、間違いが許されない
期間の短さ 短い期間で仕上げるために、人を増やして並行で進める

費用が安くなりやすい依頼・高くなりやすい依頼

たとえば、「議事録の要約にAIを使いたい」という依頼で、人が内容を確かめてから使うのであれば、既存のツールの設定と使い方の相談で済むため、金額は抑えられます。一方、「問い合わせへの回答をAIが作り、そのまま顧客管理のシステムに記録する」となると、権限の管理、誤りを防ぐ仕組み、記録の残し方まで必要になり、費用は大きく上がります。

業務の名前が同じでも、AIに任せる範囲と、間違えたときの影響の大きさで費用は変わります。相談の前に、AIに何を任せ、人がどこで確かめるのかを書き出しておくと、見積もりの前提がそろいやすくなります。

AIコンサル・AI顧問8選|公式サイトの料金と支援内容

AIコンサル・AI顧問8選|公式サイトの料金と支援内容

AIコンサルの費用は「個別の見積もり」としている会社が多いなか、公式サイトで金額の目安を公開しているサービスもあります。ここでは、AIコンサル・AI顧問のサービスを8つ取り上げ、公式サイトに載っている料金と支援内容をまとめました。税の表記は各社の記載のとおりで、公式サイトに料金が載っていない場合は「記載なし」としています。内容や金額は変わることがあるため、相談の前に必ず公式サイトで確認してください。

PR|AIBUILDERZ AI導入支援サービス

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AIBUILDERZ|AI導入支援サービス

システム構築は成果報酬型。AI研修から導入・構築・定着まで一気通貫で支援

AIBUILDERZ

AI研修からシステムの導入・構築・定着まで、一気通貫で支援するサービスです。業務アプリの構築費は事前にいただかず、実際に稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。成果報酬型での対応は、当社が小規模と定義するシステムが対象です。

  • 業種・規模を問わず支援どの業務からAIやシステムに置き換えるかを一緒に決め、効果の大きい業務から順に進めます。
  • システム構築は成果報酬型業務アプリの構築費は事前にいただきません。稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。
  • AI導入の効果を可視化置き換える業務を一覧にし、導入前後の時間から、空いた時間とかからなくなった費用を毎月記録します。
  • 小さく始めて、リスクを管理影響の小さい業務から始め、AIの実行結果は担当者が確認・承認してから反映します。

公式サイトの料金の一覧

会社・サービス 公式サイトの金額 主な条件
NOVEL株式会社
AIコンサルティング・業務自動化サービス
記載なし(直接お問い合わせください) Dify導入支援、AI自動化ポテンシャル診断など
Allganize Japan株式会社
生成AI・LLM導入活用コンサルティング
各プラン 月30万〜150万円〜 プランごとに最小契約月数あり
株式会社ギブリー
Givery AI 顧問
チャット対応プラン 月33万円〜(税込) 月2回・60分の会議、専任の担当
一般社団法人日本AI導入支援協会
AI導入支援コンサルティング
AI顧問 月5万円〜 チャットのみ・月1回の打ち合わせ付き・打ち合わせし放題の3プラン
Aidia(一般社団法人nukumo)
法人向けAI顧問
月10万円〜(税抜) 初期費用0円・最低契約期間6か月
ジェネラルコンサルティンググループ株式会社
『実利と余白』のAI顧問
月5万円〜(税別) 初期費用0円・1か月ごとの自動更新
株式会社MINAGA
AI経営顧問
月20万円〜(税抜) 最短契約期間2か月・月2回の打ち合わせ
AltShift
AI導入コンサルティング
戦略診断パック 30万〜50万円 2週間・買い切り。月額顧問は月20万円〜

相談の窓口になる顧問から、実装まで行う伴走型まで、同じ「月額」でも中身は違います。公開されている金額だけでなく、税の扱い・最低契約期間・含まれる作業をそろえて比べましょう。大手のコンサルティングファームなど、金額を公開していない会社も含めて比べたい場合は AIコンサル・AI導入支援会社のおすすめ比較 をご覧ください。

NOVEL株式会社|AIコンサルティング・業務自動化サービス

経営データ分析AI「Hyperboard」や商談解析AI「DOKO」などの自社製品を持ち、データを整えるところから、企画・実装・定着までを一気通貫で支援する会社です。ノーコードツールのDifyの導入支援や、AIで自動化できる業務を洗い出す「AI自動化ポテンシャル診断」、AI人材の育成も手がけています。

強み 自社のAI製品とコンサルティングを組み合わせ、データの整備から定着まで1社で進められる
支援の範囲 戦略・開発/実装・運用・研修
支援の形 診断・導入支援・研修(詳細は問い合わせ)
自社のAI製品 あり(Hyperboard、DOKO など)
使うAI・クラウド Dify など
料金 記載なし(直接お問い合わせください)
公式サイト AIコンサルティング・業務自動化サービス

Allganize Japan株式会社|生成AI・LLM導入活用コンサルティング

Allganize Japan株式会社 の公式ページの画像

自社の生成AI・AIエージェントの基盤「Alli LLM App Market」を使い、導入の計画づくりから、回答の精度の向上、社内への展開、運用までを6つのプランで支援します。適用する業務の提案と効果の試算、ロードマップ作成を行う導入加速プランのほか、生成AIアプリやAIエージェントを作るプランもあります。

強み 自社の生成AI基盤を使うため、PoCから本番の導入まで同じ環境で進められる
支援の範囲 戦略・PoC・開発/実装・運用・研修
支援の形 月額のプラン(プランごとに最小契約月数あり)
自社のAI製品 あり(Alli LLM App Market)
使うAI・クラウド 自社の基盤の上で構築(オンプレミス・プライベート環境にも対応)
料金 導入加速 50万円/月、精度向上 100万円/月、リリース支援 50万円/月、運用支援 50万円/月、運用伴走 100万円/月、アプリ作成 30万円/月〜、エージェント作成 150万円/月〜(税の表記なし)
公式サイト 生成AI・LLM導入活用コンサルティング

株式会社ギブリー|Givery AI 顧問

株式会社ギブリー の公式ページの画像

生成AIの技術的な質問から活用の進め方まで、AIの専門家にチャットで相談できるサービスです。社内でPoCを終えた企業に向けて、RAGの精度の改善やAIエージェントの構築、自社データとの連携も支援します。料金表には、チャット対応プラン、AI戦略パートナープラン、個別案件相談の3つが載っています。

強み AIナレッジデータベースを使い、専門家が確認した回答を最短1営業日以内に返す
支援の範囲 相談・PoC・開発/実装
支援の形 月額の顧問(チャット・月2回60分の会議)。個別案件は応相談
自社のAI製品 回答にAIナレッジデータベース(独自のAIエージェント機能)を使う
使うAI・クラウド Microsoft Azure(Azure OpenAI Service)、Google・Anthropicのモデルの比較検証
料金 チャット対応プラン 33万円(税込)/月〜、AI戦略パートナープラン 165万円(税込)/月〜、個別案件相談は応相談
公式サイト Givery AI 顧問

一般社団法人日本AI導入支援協会|AI導入支援コンサルティング

一般社団法人日本AI導入支援協会 の公式ページの画像

業界に精通した専任のコンサルタントが、AIツールの選定、プロンプトの設計、社内ルールの整備、業務の見直しまでを継続して支援します。月額のAI顧問は、チャットだけのライトプラン、月1回のオンラインの打ち合わせが付くスタンダードプラン、打ち合わせし放題のパートナープランの3つから選べます。作りたいものが決まっている場合は、別途の見積もりで開発まで頼めます。

強み 協会の独自審査を通ったコンサルタントが担当し、特定のベンダーに偏らずにツールを選ぶ
支援の範囲 戦略・開発/実装・運用・研修
支援の形 月額のAI顧問。開発は別途見積もり
自社のAI製品 公式サイトに記載なし
使うAI・クラウド ChatGPT、Codex、Copilot、Claude Codeなどから選定
料金 AI顧問 月額5万円(ライト:チャット相談)/10万円(スタンダード:月1回のオンライン打ち合わせ付き)/30万円(パートナー:打ち合わせし放題)(税の表記なし)、開発は別途見積もり
公式サイト AI導入支援コンサルティング

Aidia(一般社団法人nukumo)|法人向けAI顧問

Aidia(一般社団法人nukumo) の公式ページの画像

毎月の定例で実際の業務を持ち込み、次回までに試す「宿題」を決めて、現場で使った結果を一緒に振り返る形で進めるAI顧問です。定例の間もテキストで相談できます。AI活用を一部の担当者の技から、会社として続けられるやり方に育てることを目指しています。

強み 毎月の宿題と振り返りで、実際の業務の改善を一つずつ進める
支援の範囲 運用・定着
支援の形 月額の顧問(最低6か月)。個別の実装は別途提案
自社のAI製品 公式サイトに記載なし
使うAI・クラウド 公式サイトに記載なし
料金 月額10万円(税抜)〜、初期費用0円、最低契約期間6か月
公式サイト 法人向けAI顧問

ジェネラルコンサルティンググループ株式会社|『実利と余白』のAI顧問

小さな会社や中小企業の経営者に向けたAI顧問です。代表が最初から最後まで直接対応し、オンラインの相談ではAIツールを画面共有で一緒に操作しながら、業務の課題に取り組みます。月1回の相談から始められ、3か月で集中して使いこなすためのプランもあります。

強み 担当者が代わらず、代表本人が直接対応する
支援の範囲 相談・研修
支援の形 月額の顧問(1か月ごとの自動更新)。相談の追加は1回5万円
自社のAI製品 公式サイトに記載なし
使うAI・クラウド ChatGPT、Claude Codeなど
料金 月額5万円(月1回・60分)/10万円(月1回・最大120分)/15万円(月2回・各最大120分)(税別)、初期費用0円
公式サイト 『実利と余白』のAI顧問

株式会社MINAGA|AI経営顧問

経営者や役員が直接相談できる、オンラインのAI経営顧問です。月2回の打ち合わせで、AI投資の優先順位、既存事業へのAIの導入、AIを前提にした新規事業の検討などを話し合います。打ち合わせの間は、SlackやLINEで随時相談でき、営業日24時間以内の返信を目安にしています。

強み 経営の判断と新規事業の検討に絞った、経営者向けの相談相手
支援の範囲 戦略
支援の形 月額の顧問(最短2か月)
自社のAI製品 公式サイトに記載なし
使うAI・クラウド 公式サイトに記載なし
料金 月額20万円〜(税抜)、最短契約期間2か月、オンラインの打ち合わせ月2回・60分
公式サイト AI経営顧問

AltShift|AI導入コンサルティング

AltShift の公式ページの画像

福岡を拠点に、中小企業向けのAI導入コンサルティングを行っています。業務の分析からAI導入のロードマップ、投資対効果の見込みまでを2週間でまとめる買い切りの診断と、月額の顧問、週1〜2回現場に入る形の3つのプランがあります。

強み 最短2週間でロードマップを渡す、買い切りの診断から始められる
支援の範囲 戦略・運用・研修
支援の形 買い切りの診断、月額の顧問、現場に入る伴走
自社のAI製品 公式サイトに記載なし
使うAI・クラウド 公式サイトに記載なし
料金 戦略診断パック 30万〜50万円(2週間・買い切り)、月額顧問プラン 20万〜50万円/月、Embedded CAIO 50万円〜/月(税の表記なし)
公式サイト AI導入コンサルティング

AIコンサルの見積もりの見方と比べ方

AIコンサルの見積もりの見方と比べ方

AIコンサルの見積もりは、含まれている作業の範囲が会社ごとに違うため、合計の金額だけを比べても判断できません。範囲をそろえて比べるための見方をまとめました。

見積書で確かめる8つの項目

次の8つの項目が書かれているかを確かめ、書かれていなければ質問しましょう。

項目 確かめること
支援の範囲 相談・計画づくり・PoC・実装・研修・運用のうち、どこまでが入っているか
担当者と稼働時間 誰が、月に何時間関わるのか。担当者が途中で代わることはあるか
成果物 ロードマップ、検証の報告書、手順書など、最後に何が手元に残るか
内訳 「一式」ではなく、作業ごとに金額が書かれているか
別料金の条件 訪問、資料の作成、追加の開発、ツールの利用料の扱い
税の扱い 税込か税別か
契約期間と解約 最低契約期間、更新の単位、途中でやめるときの条件
情報の扱い 社内のデータの扱い、秘密保持の範囲、AIに入力してよい情報のルール

見積書の書き方ごとの読み解き方

見積書によく出てくる書き方には、それぞれ読み取れることと、続けて聞いておきたいことがあります。手元の見積書と照らし合わせて使ってください。

見積書の書き方 読み取れること 確かめること
「コンサルティング費 一式」 作業の中身と量がわからない 作業ごとの内訳と、担当者ごとの時間
「月◯時間まで」 使える時間に上限がある 上限を超えたときの単価、使わなかった時間の扱い
「開発は別途見積もり」 実装の作業は月額に入っていない どの作業から別料金になるか、おおよその金額
「実費」「別途精算」 ツールの利用料や交通費は別に払う 上限の金額と、精算の方法
「成果物:報告書」 最後に渡されるのは資料 報告書の中身、手順書や設定の引き継ぎがあるか
「最低契約期間◯か月」 途中でやめても期間分の支払いが要ることがある 解約の申し出の期限、途中で解約するときの費用
「税別」「税込」 会社によって表記がばらばら すべての見積もりを同じ表記に直してから比べる

月額は1時間あたりに直して比べる

月額顧問型の見積もりは、月額を、その月に使える時間で割ると比べやすくなります。

計算 例
1時間あたりの金額 = 月額 ÷ 月に使える時間 月額30万円で、打ち合わせと作業が月30時間なら、1時間あたり1万円
使える時間 = 打ち合わせの時間 + 作業の時間 月2回・60分の打ち合わせだけなら、月2時間

例の金額は、計算の流れを示すための数字です。同じ月額でも、打ち合わせだけの2時間と、作業を含む30時間では、1時間あたりの金額が15倍違います。チャットの相談や作業の時間が決まっていない場合は、目安の時間を聞いておきましょう。

最低契約期間を含めた支払額で比べる

月額顧問型は、月額だけでなく、「月額 × 最低契約期間」で、少なくともいくら払うことになるかを出してから比べます。

条件 計算 最低限の支払額
A:月8万円・最低契約期間6か月 8万円 × 6か月 48万円
B:月20万円・最低契約期間2か月 20万円 × 2か月 40万円

例の金額は、計算の流れを示すための仮の数字です。月額はAのほうが半分以下でも、相性が合わずにやめる場合の支払額はAのほうが大きくなります。最初の契約では、月額の安さだけでなく、短い期間で見直せるかどうかもあわせて比べましょう。

安すぎる見積もり・高すぎる見積もりの見分け方

相場より大きく安い見積もりには、使える時間が短い、実装の作業が別料金、担当できる範囲が相談に限られる、といった理由があることが多くあります。月額を1時間あたりに直し、別料金の条件を聞くと、安さの理由が見えてきます。

反対に、相場より大きく高い見積もりは、頼みたい範囲より広い作業が入っていないかを確かめます。全社の業務の洗い出しや大規模な開発が含まれていれば、金額が上がるのは自然です。自社が今回頼みたい範囲を伝え直し、範囲を絞った見積もりを出してもらいましょう。

相見積もりの取り方

見積もりは、同じ資料と同じ質問で2〜3社から取るのが基本です。依頼の内容が会社ごとに違うと、金額の差が、会社の違いなのか、依頼の違いなのかがわからなくなります。大手のコンサルティングファームと個人の顧問のように、タイプが大きく違う会社を並べる場合は、金額より先に、何を頼めるのかを比べましょう。

見積もりを頼むときに伝える6つのこと

見積もりを頼むときは、次の6つをまとめて、どの会社にも同じ内容で伝えます。

伝えること 書き方の例
AIを使いたい業務 問い合わせへの一次回答の下書き
今の手間 3人で1日あわせて4時間、月におよそ80時間
使うデータ 過去の回答のメール、社内のマニュアル(共有フォルダのWordとPDF)
使っているツール Microsoft 365、顧客管理のシステム
頼みたい範囲 ツールの選定と設定、社内ルール、担当者への研修まで。開発は含めない
期間と予算の上限 3か月、月30万円まで

商談で聞いておきたい質問

見積書だけではわからないことは、商談で直接聞きましょう。次の質問は、そのまま使えます。

質問 聞く理由
毎月の支払いで、実際に何時間関わってもらえますか 1時間あたりの金額で比べるため
ツールの設定や開発の作業は、どこから別料金になりますか あとから費用がふくらむのを防ぐため
担当してくださる方と、商談の方は同じですか 提案の質と、実際の担当者の力量が同じかを確かめるため
当社と同じくらいの規模の会社では、どの業務から始めることが多いですか 中小企業の進め方に慣れているかを確かめるため
契約が終わったとき、何が社内に残りますか 手順書や指示文、作ったものの権利を引き継げるか確かめるため
効果は何の数字で、いつ確かめますか 続けるか、やめるかを判断できるようにするため
途中で範囲を変えたり、解約したりするときの条件は何ですか 合わなかったときの支払いを先に知るため
この依頼で対応できないことはありますか 頼める範囲の境目を先に知るため

AIコンサルティングの費用対効果の考え方

AIコンサルティングの費用対効果の考え方

AIコンサルの費用は、安いか高いかではなく、かけた分に見合う効果が出るかで判断します。効果の測り方と、元を取るための目安の出し方を見ていきましょう。

効果は時間・品質・売上の3つで測る

中小機構の調査では、AIを導入した中小企業が感じた効果として「業務効率化/作業時間の短縮」が83.2%ともっとも多く挙がっています(出典:中小機構)。まずは減らせる時間を測り、あわせて品質と売上への影響も見ます。

観点 見る数字の例
時間 資料の作成、問い合わせへの対応、集計にかかる時間
品質 ミスや差し戻しの数、担当者による出来のばらつき
売上 提案の数、商談の準備にかかる時間、お客様への返答の速さ

元を取るのに必要な削減時間の出し方

月額の費用を1時間あたりの人件費で割ると、元を取るのに必要な削減時間がわかります。

手順 計算 例
1. 元を取る時間を出す 月額の費用 ÷ 1時間あたりの人件費 30万円 ÷ 3,000円 = 月100時間
2. 今の手間と比べる 対象の業務にかかっている時間 問い合わせへの対応が月80時間
3. 見込みを判断する 減らせる時間 ÷ 元を取る時間 半分減っても月40時間で、コンサルの費用だけでは元が取れない

例の金額は、計算の流れを示すための仮の数字です。この例では、1つの業務だけでは支払いに届かないため、対象の業務を増やすか、より安い料金体系を選ぶかを考えることになります。コンサルの費用のほかに、ツールの利用料や社内の工数も足して考えましょう。

続けるか、やめるかの基準を先に決める

月額顧問型では、契約を続けるかどうかの判断があいまいになりがちです。3か月ごとなど区切りを決め、「どの業務の時間がどれだけ減ったか」「社内でAIを使う人が増えたか」を確かめて、続けるか、範囲を変えるか、やめるかを判断しましょう。

AIコンサルティングの費用を抑える5つの方法

AIコンサルティングの費用を抑える5つの方法

AIコンサルの費用は、頼み方しだいで大きく抑えられます。効果の大きい方法を5つにまとめました。

目的と頼む範囲を先に決める

何をしたいのかが決まらないまま契約すると、最初の数か月が現状の説明と課題の整理で終わり、そのぶん費用がかさみます。AIを使いたい業務と、今かかっている手間、頼みたい範囲を先にまとめておきましょう。

1つの業務から小さく始める

最初から全社で進めず、効果が測りやすい業務を1つ選んで始めます。結果を見てから広げれば、効果の出ない支援に費用をかけずに済みます。

既存のAIツールを使う

ChatGPTやCopilotなど、すでにあるAIツールで足りる業務は少なくありません。既存のツールで足りるかを先に確かめ、足りない部分だけを開発すれば、開発の費用を抑えられます。

社内でできる作業を分ける

データの準備、社内への説明、ツールの設定など、自社で担える作業を決めておくと、外部に頼む範囲を絞れます。社内に担当者を置いて一緒に手を動かせば、契約が終わったあとも社内にやり方が残ります。

公的な無料の相談窓口を使う

有料のコンサルに頼む前に、公的な窓口で相談するのも1つの方法です。「よろず支援拠点」は、国が全国に設置した無料の経営相談所で、中小企業や小規模事業者は何度でも無料で相談できます。AIアドバイザーが、AIを活用できる業務の整理や、導入に向けた社内文書・データの準備などを支援しており、どの業務にAIを使えるのかわからないという段階からでも相談できます(出典:よろず支援拠点全国本部)。

何から始めればよいかを整理する段階で公的な窓口を使い、具体的な計画づくりや実装を有料のコンサルに頼むように分けると、費用を抑えやすくなります。

AIコンサルに関わる補助金・助成金の制度

AIコンサルに関わる補助金・助成金の制度

AIの導入や社員の研修には、国の補助金や助成金の制度があります。ここでは、制度の仕組みを一般的な情報として紹介します。対象になるかどうかは、依頼先や導入するツール、申請の時期によって変わるため、必ず公式サイトで最新の内容を確かめてください。

デジタル化・AI導入補助金の仕組み

「デジタル化・AI導入補助金」は、中小企業や小規模事業者のITツールの導入を支援する制度です。通常枠では、ソフトウェアの導入が必須で、それとあわせて行う導入コンサルティング・活用コンサルティングも補助の対象になります。

項目 通常枠の内容
補助額 業務プロセスが1つ以上:5万円以上150万円未満/4つ以上:150万円以上450万円以下
補助率 1/2以内(令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合は2/3以内)
対象になる費用 ソフトウェアの購入費、クラウドの利用料(最大2年分)、導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入の設定・研修、保守サポートなど

コンサルだけを単独で頼む場合は対象にならないため、ソフトウェアの導入とあわせた計画かどうかを確かめましょう。公募の回ごとに条件や締切が変わります(出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠)。ほかの補助金も含めた制度の違いは AI導入に使える補助金 で解説しています。

社員の研修に関わる人材開発支援助成金

社員向けのAI研修を考えている場合は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」も知っておきたい制度です。訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度で、「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」など7つのコースがあります(出典:厚生労働省 人材開発支援助成金)。

助成の対象になる訓練の条件や、助成の額の決まり方はコースごとに違います。研修を計画する前に、厚生労働省のページで対象になる訓練の要件と申請の手順を確かめておきましょう。

制度を調べるときに確かめること

補助金や助成金は、使える制度があるかどうかだけでなく、依頼先や導入するツールが対象になっているか、申請の時期と契約の時期が合うかで、使えるかどうかが決まります。制度の名前だけで判断せず、公募要領や申請の手引きで、対象の経費、申請の流れ、締切を確かめてください。

なお、当社AIBUILDERZのサービスは、デジタル化・AI導入補助金の対象ではありません。システム構築は成果報酬型で、業務アプリの構築費は事前にいただかず、実際に稼働させ、効果をご確認いただいてからお支払いが始まります。

AIコンサルの費用で失敗しやすい5つのパターン

AIコンサルの費用で失敗しやすい5つのパターン

AIコンサルにかけた費用が無駄になるのには、よくある形があります。事前に知っておけば、多くは避けられます。

安さで選び、実装が別料金だった

月額が安いサービスを選んだところ、相談はできても設定や開発の作業は別料金で、合計では高くついたというパターンです。金額を比べる前に、月額に含まれる作業の範囲を確かめましょう。

任せきりにして、社内に何も残らない

作業をすべて外部に任せた結果、契約が終わると誰も続けられず、AIが使われなくなるパターンです。作業を丸ごと任せきりにせず、社内に担当者を置いて一緒に進めることが、費用を無駄にしないいちばんの対策です。

PoCで止まり、本番に進めない

試作と検証をくり返すだけで、本番の導入に進めないまま費用だけがかさむパターンです。PoCを始める前に、本番に進む基準と期限を決めておきましょう。

最低契約期間と解約の条件を見落とす

相性が合わないとわかっても、最低契約期間の間はやめられず、費用を払い続けることになるパターンです。最低契約期間、更新の単位、途中でやめるときの条件を、契約の前に確かめましょう。

情報の扱いを決めずに始める

社内のデータや顧客の情報をどこまで渡してよいか、AIにどの情報を入力してよいかを決めないまま進めると、あとから作業の止まる原因になります。秘密保持の契約と、社内の利用ルールを先に整えておきましょう。

AIコンサルの相談から契約までの進め方

AIコンサルの相談から契約までの進め方

費用を抑えながら、自社に合う相談先を選ぶには、次の5つのステップで進めるとスムーズです。

01

AIを使いたい業務と今の手間を書き出す

時間がかかっている作業を1〜3つ選び、誰が、月に何時間かけているのかを書き出します。

02

頼みたい範囲と予算の上限を決める

相談だけか、計画づくりまでか、実装や定着まで頼むのかを決め、試算の手順で月額または総額の上限を出します。

03

料金体系が合う2〜3社に同じ内容で相談する

見積もりを頼むときに伝える6つのことをまとめ、同じ内容で相談します。無料の相談や公的な窓口も使えます。

04

見積書を8つの項目と1時間あたりの金額で比べる

支援の範囲、担当者と稼働時間、別料金の条件、解約の条件をそろえ、最低契約期間を含めた支払額で比べます。商談で質問して、不明な点をなくします。

05

短い期間で始め、区切りで見直す

最初は1つの業務と短い期間で始め、先に決めた数字で、続けるか、範囲を変えるか、やめるかを判断します。

ほかの会社がAIをどの業務に使っているかは 中小企業のAI活用事例 も参考になります。

AIコンサルティングの費用に関するよくある質問

AIコンサルティングの費用に関するよくある質問
Q. AIコンサルティングは最低いくらから頼めますか?
月額の顧問サービスなら、月5万円程度から始められるものがあります。スポット相談なら1回数万円程度が目安です。ただし、安いプランは相談だけで、設定や開発の作業は別料金のことが多いため、含まれる範囲を確かめましょう。
Q. AIコンサルの料金と見積もりの金額が大きく違うのはなぜですか?
関わる人の数と時間、支援の範囲、前提にしている業務の難しさが会社ごとに違うためです。見積書の8つの項目で範囲をそろえ、同じ資料と質問で依頼すると、差の理由がわかりやすくなります。
Q. 月額顧問とプロジェクト型は、どちらを選べばよいですか?
社内に手を動かす担当者がいて、相談相手がほしいなら月額顧問型が合います。AIを使う業務が決まっていて、計画づくりやPoCを期間を区切って進めたいならプロジェクト型が合います。何から始めるか決まっていない場合は、スポット相談や短期の診断から始めるとよいでしょう。
Q. 中小企業でもAIコンサルティングを頼めますか?
頼めます。月額を公開している顧問サービスには、中小企業や小規模事業者を主な対象にしているものもあります。まずは1つの業務に絞り、月額の顧問や短期の診断から始めると、費用を抑えられます。
Q. 従業員が数人の小さな会社でも依頼する意味はありますか?
あります。ただし、頼む範囲は小さく始めるのが現実的です。AIに任せたい業務の時間と人件費から月額の上限を出し、その範囲に収まるスポット相談やチャット中心の顧問から始めましょう。何から始めるかの整理だけなら、よろず支援拠点などの公的な窓口で無料で相談することもできます。
Q. 費用対効果はどう判断すればよいですか?
月額の費用を1時間あたりの人件費で割り、元を取るのに必要な削減時間を出します。AIに任せたい業務で減らせる時間がそれを上回るかどうかが、1つの目安です。コンサルの費用のほかに、ツールの利用料や社内の担当者の時間も足して考えましょう。
Q. 契約期間はどのくらいが一般的ですか?
月額顧問型の最低契約期間はサービスによって違い、1か月ごとに更新できるものから、2か月、6か月としているものまであります。効果が出るまでには一定の期間がかかるため、3か月程度を1つの区切りにして見直すとよいでしょう。
Q. 成果報酬型なら、費用はかかりませんか?
成果報酬型でも、初期費用や保守費など、成果とは別にかかる費用があることが一般的です。成果をどの数字で測るか、成果が出なかったときにどうなるか、報酬の上限はあるかを、契約の前に確かめましょう。
Q. AIコンサルの費用に補助金は使えますか?
デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、ソフトウェアの導入とあわせて行う導入コンサルティング・活用コンサルティングが補助の対象になります。コンサル単独では対象にならず、依頼先や導入するツールによっても扱いが変わるため、公式サイトで最新の条件を確認してください。
Q. 無料で相談できるところはありますか?
国が全国に設置した「よろず支援拠点」では、中小企業や小規模事業者が何度でも無料で経営の相談ができ、AIアドバイザーがAIを活用できる業務の整理なども支援しています。民間のAIコンサル・AI顧問の初回の相談の扱いは会社ごとに違うため、各社の公式サイトで確かめてください。
Q. 見積もりの前に準備しておくことはありますか?
AIを使いたい業務、今その業務にかかっている時間、使うデータの場所と形、使っているツール、頼みたい範囲、期間と予算の上限の6つをまとめておきましょう。どの会社にも同じ内容で伝えると、見積もりを比べやすくなります。

まとめ

まとめ

AIコンサルの費用は、支援の範囲、料金体系、工程、依頼先のタイプによって、月数万円から数千万円まで大きく変わります。中小企業では、相場の数字だけで判断せず、AIに任せたい業務の時間から予算の上限を出し、頼みたい範囲をそろえてから見積もりで確かめるのが、無駄のない進め方です。最後に、本記事のポイントを振り返ります。

01
AIコンサルの費用は、月額の顧問なら月5万〜50万円程度、PoCは100万〜500万円程度、開発まで含めると数千万円になることもある
02
料金体系は月額顧問型・プロジェクト型・スポット相談・成果報酬型の4つ。課題の決まり具合と、社内に手を動かす人がいるかで選ぶ
03
中小企業は、業務の時間と人件費から月額の上限を出し、その範囲で頼める支援から始める
04
月額は、打ち合わせの回数、相談の範囲、実装の有無、担当者の体制で決まる。1時間あたりと、最低契約期間を含めた支払額に直して比べる
05
見積もりは8つの項目と書き方の読み解きで範囲をそろえ、同じ資料と質問で2〜3社から取る
06
目的と範囲を先に決め、1つの業務から小さく始め、公的な無料の相談窓口も使う。補助金・助成金は対象の条件を公式サイトで確かめる

AIコンサル・AI導入支援の会社選びは AIコンサル・AI導入支援会社のおすすめ比較、ツールや開発まで含めた費用は AI導入の費用相場 もあわせてご覧ください。